“家族で観ると気まずい”映画は? 世界屈指の過激作(1)地上波放送でヤバい場面も…不適切すぎる傑作は?

text by 阿部早苗

くだらない映画でゲラゲラ笑うことは理想的だが、観る場所には注意が必要だ…。誰にでも、不意をつく下ネタで、親と気まずい思いを共有してしまったことはあるだろう…。そこで今回は、家族と観たら気まずい海外のコメディ映画を5本セレクトしてご紹介する。第1回。(文・阿部早苗)

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子どもに触れさせたくないテディ・ベア

『テッド』(2012)

マーク・ウォールバーグ
マーク・ウォールバーグ【Getty Images】

監督:セス・マクファーレン
脚本:セス・マクファーレン、アレック・サルキン、ウェルズリー・ワイルド
原案:セス・マクファーレン
出演:マーク・ウォールバーグ、ミラ・キュニス、セス・マクファーレン、ジョエル・マクヘイル、ジョヴァンニ・リビシ

【作品内容】

 いじめられっ子のジョン(マーク・ウォールバーグ)は、クリスマスにもらったテディベアのテッド(セス・マクファーレン)と本当の友だちになれるよう願うと、テッドに魂が宿るという奇跡が起こる。

 それから27年、2人は女性のことや下品な事ばかり考えながら堕落した生活を送っていたが…。

【注目ポイント】

 映画『テッド』(2012)は、見た目のかわいらしいテディベアが主人公でありながら、R指定の過激なコメディ作品。大ヒットを記録し、2015年には続編も公開された。

 孤独な少年ジョンがクリスマスの夜、プレゼントのテディベアに命が宿るよう星に願いをかける。すると翌朝には願いが叶い、テディベアのテッドは話せるようになっていた。その瞬間からジョンとテッドは生涯の親友となる。

 ここまでなら子供も一緒に楽しめるファンタジー映画だが、序盤で覆される。物語は、ジョンの27年後が中心となっている。ゆえに、テッドも30代の叔父さんなのだ。可愛らしい外見とは裏腹に下ネタや汚い言葉を連発し、腰フリなどの性的なジョークや過激な描写も多くて子供と一緒に観るには不適切なシーンが多数存在する。

 それだけではない。テッドと主人公のジョンは日常的にマリファナを吸ってはキメている。そんな描写は子供に見せたくないと感じる親もいるだろう。

 テッドとジョンの友情は、時にくだらなく、時に熱く、その掛け合いが面白く、さらに劇中では『サタデーナイト・フィーバー』(1977)や『フラッシュゴードン』(1980)など映画のオマージュシーンが散りばめられており、映画ファンには堪らない1作となっているし、爆笑シーンの連発だ。

 過激なシーンがなければ子供も観れるのに…という声があったようで、同年、年齢をPG12に下げた再編集バージョンが公開され、2015年には『『テッド』“大人になるまで待てない!”バージョン』(日本語吹き替え版)がテレビで放送された。

 子を持つ親からは「地上波放送って子供と観ても大丈夫な編集になってます?w」とやや不安な声もあがったが、放送された再編集バージョンは、下品なシーンのカットや過激な言葉がマイルドになっているなどの編集がされていた…が、R15からRG12の年齢制限であるためやや下品さは健在であったようだ。

(文・阿部早苗)

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