今、もっとも演技が上手い男性アイドルは? 芝居に定評のあるイケメン(1)業界人に愛される“沼俳優”

text by 野原まりこ

歌やダンスでステージを沸かせ、バラエティではお茶の間を笑いの渦に巻き込む“アイドル”。しかし、彼らはアイドルという境界線を超え、演技までこなしてしまう。そこで今回は、今、もっとも演技が上手いアイドルを5人セレクトして、彼らの魅力に迫る。第1回。(文・野原まりこ)

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業界人に愛される“沼俳優”

松村北斗(SixTONES)

松村北斗【Getty Images】
松村北斗【Getty Images】

【注目ポイント】

 2025年10月公開の実写映画『秒速5センチメートル』(2025)で主演を務める松村北斗。今年はすでに松たか子主演の『ファーストキス 1ST KISS』(2025)で存在感を発揮し、昨年は上白石萌音とのW主演作『夜明けのすべて』(2024)における演技が目の肥えた映画ファンからも賞賛された。まさに現在の邦画界を代表する若手俳優の一人といえる。

 その出演作のラインナップは驚くほど華やかだ。新海誠監督の『すずめの戸締まり』(2022)、岩井俊二監督による『キリエのうた』(2023)など、映像作家たちがこぞって指名する顔となっている。

 この人気の背景には、彼に対する業界関係者からの厚い信頼がある。『キリエのうた』で松村が演じた夏彦について、岩井監督は「もう一人の自分」と語り、新海誠監督は「最も信頼する俳優」と称する。そして『ファーストキス 1ST KISS』のプロデューサー・山田兼司氏は、雑誌「音楽と人」にて「松村北斗は日本のティモシー・シャラメになる」と断言している。

 彼の魅力を語るうえで欠かせないのが、耳に残る美しい声や、どこか儚げな佇まい。しかしそれ以上に、多くの監督が口を揃えて称賛するのが、役に対する真摯な姿勢と誠実な人間性である。

 また、SixTONESのメンバーとしても独自の存在感を放つ。型破りなパフォーマンスで知られるグループの中でも、松村はバラエティ番組『Golden SixTONES』(日本テレビ系)やコント番組『ワロタ!』(Prime Video)において、知性とギャップに満ちたユーモアで視聴者を魅了する。

 繊細さと大胆さ、硬質さとユーモアをあわせ持つ松村北斗は、知れば知るほど奥深い存在だ。一度ハマれば抜け出せない、まさに“沼”という表現がこれほど似合う俳優はいないだろう。

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【了】

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