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「完全に狂っている…」吐き気がするほどリアルな戦争映画(3)。映像がすごい…巨匠が描く史上最大の救出作戦

text by 編集部

ロシアがウクライナに侵攻して1年が経った。ほとんどの人が、戦争は二度としてはいけないことだと考えているだろう。しかし我々の世代は自ら経験したわけでもなく、どこか自分には関係ないことだと思っているはずだ。だが、知らないからこそ学ばなくてはいけない。今回は見るのも辛いが、多くの人に知ってほしいリアルな戦争映画を紹介する。今回は第3回。

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巨匠・ノーランが“陸海空”3視点で描く「史上最大の救出作戦」

『ダンケルク』(2017)


出典:Amazon

原題:Dunkirk
製作国:イギリス・オランダ・フランス・アメリカ合作
監督・脚本:クリストファー・ノーラン
キャスト:フィン・ホワイトヘッド、トム・グリン=カーニー、ジャック・ロウデン、ハリー・スタイルズ

【作品内容】

1940年5月。飛行機や戦車と言った新兵器を駆使した電撃戦を展開するドイツ軍を前に、英仏連合軍は劣勢に立たされていた。この状況に危機感を募らせたイギリス首相ウィンストン・チャーチルは、フランス北部のダンケルクに取り残された兵士40万人の救出を命令。軍艦はもちろん、民間の船舶も総動員した決死の救出作戦が幕を開けた。

【注目ポイント】

クリストファー・ノーラン監督
クリストファーノーラン監督Getty Images

本作は、「史上最大の救出作戦」と称されるダイナモ作戦をテーマに描いた作品。監督はクリストファー・ノーランで、主演のイギリス兵士トミーを新人のフィン・ホワイトヘッドが演じる。

『メメント』(2000年)や『インターステラー』(2014年)など、作品世界の時間軸を意図的に操作した作品を数多く制作してきたノーラン。本作では、ドイツ軍の手を逃れたトミーがダンケルクで救援を待つ“陸の1週間“、民間船でダンケルクに救援に向かう船長・ドーソンの“海の1日“、イギリス軍兵士を襲う戦闘機を迎撃するイギリス軍パイロット・ファリアの“空の1時間“がパラレルに描かれ、ドイツ軍が迫る中作戦が遂行されるというタイムリミット・サスペンスの様相を呈する。

とはいえ、戦争映画として見た場合にはノーラン流の端正な映像表現が目立ち、陰惨さやリアリティはあまり感じられない。本作は、戦争映画としてよりも、あくまでノーラン映画として観るのがよさそうである。

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