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ジブリ史上最高のヒロインは? 思わず惚れる女性キャラ(2)。最強に魅力的! 強さと弱さを抱えた姿が心を打つ

text by 寺島武志

世代を超えて根強いファンを持つ「スタジオジブリ」作品。その人気の理由は、魅力的なヒロインにあると言っても過言ではないだろう。今回は、数あるジブリ作品の中から厳選して5人のキャラクターを紹介。彼女たちの外見の美しさだけではなく、芯の強さや他者を慈しむ優しさといった内面の魅力も要注目だ。(文・寺島武志)

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山犬として生きようとする強さと弱さを抱えたヒロイン

『もののけ姫』(1997)サン

© 1997 Studio Ghibli・ND
© 1997 Studio GhibliND

声優:石田ゆり子

【作品内容】

室町時代の日本。タタリ神という化け物が村を襲おうとしている。村を救うべく、タタリ神の前に立ちはだかったのは、少年アシタカ(松田洋治)だ。

武術に優れたアシタカは、タタリ神の退治に成功するも、右手に呪いを受けてしまう。右手の呪いを放っておくと、アシタカの人格はタタリ神に乗っ取られ、村に被害を及ぼすこと必至である。アシタカは呪いを解くべく、タタリ神の由来の地である西の国を目指すことになった。

【注目ポイント】

タイトルの「もののけ姫」ことサン。血まみれの姿で主人公であるアシタカの前に登場するという異色のキャラクターだ。

人間を憎んでおり、アシタカにも敵意をむき出しにするサン。自分のことを醜いと思いこんでいるサンが、アシタカに「美しい」と言われ動揺するなど、感情の起伏がかなり激しく描かれる。アシタカと行動を共にする中で、次第に彼に心を許し、穏やかな表情になっていく姿は、本作の見どころのひとつ。

大自然の中で、山犬のモロに育てられたサンの身体能力は非常に高く、肉体も筋肉質だ。しかしながら、サンが戦いに挑む際には、お面を被る。これには、人間でありながらも山犬として育った辛い境遇と葛藤が見て取れる。憎い人間の姿を捨て、山犬になりたいと本気で願っているのだ。

この作品は、「もののけ姫」であるサンの行動や心理描写を通じて、自然と人間の対立を描いており、サンは「自然」を代表する存在なのだ。

物語の最後まで、やはり人間を許すことはできなかったサンに、アシタカは「それでもいい。サンは森で、わたしはタタラ場で暮らそう。共に生きよう」と語りかける。そして、見る側にサンとアシタカの“その後”を想像させるような世界観を与えてくれる作品でもあるのだ。

サンの声を務めた石田ゆり子は、『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994)、『コクリコ坂から』(2011)にも出演し、ジブリ作品の常連となった。

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