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今なら確実に炎上…!当時は大絶賛・実は問題だらけの名作映画(1)娼婦の設定がもはや…ゴリゴリの性差別映画

text by 編集部

近年、映画業界では差別や偏見を無くす動きが加速。それ自体は無条件に喜ばしい事態であるが、昨今はポリコレを意識しすぎて、逆に視聴者の共感を生むことが難しくなっている傾向もある。しかし、以前はそんなことを気にせず製作された作品が多く存在した。今回は、そんな現代では批判を喰らいそうな作品を5本紹介する。(文・高梨猛)

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「おとぎ話」と言うけれども…。
男性目線のシンデレラ・ストーリー

『プリティ・ウーマン』(1990)


出展:Amazon

上映時間:119分(劇場公開版)、125分(ディレクターズカット版)
原題:Pretty Woman
製作国:アメリカ
監督:ゲイリー・マーシャル
脚本:J・F・ロートン
出演者:リチャード・ギア、ジュリア・ロバーツ

【作品内容】

ジュリア・ロバーツの明るくフレッシュな魅力で大ヒットしたロマンティック・コメディ。金持ちセレブ社長のエドワード(リチャード・ギア)は、仕事でL.A.を訪れて道に迷い、娼婦のヴィヴィアン(ジュリア・ロバーツ)に声をかける。飾らぬ性格のヴィヴィアンを気に入ったエドワードは、パーティのエスコート役として1週間一緒に過ごすことをオファー。高級ドレスやアクセサリーを買い与え、仲を深めていくが…。

【注目ポイント】

映画『プリティ・ウーマン』のワンシーン。(左から)ジュリア・ロバ-ツ、リチャード・ギア
映画プリティウーマンのワンシーン左からジュリアロバツリチャードギアGetty Images

軽快で明快なラブストーリーで、現代版『マイ・フェア・レディ』と謳われた本作。

とはいえ『マイ・フェア・レディ』のヒロイン・イライザは花売り娘だが、こちらのヴィヴィアンは売春婦。現在の日本に置き換えると、歌舞伎町の街路に立つ娼婦がハゲタカファンドの社長と恋に落ちるような話である。

公開当時から「娼婦を美化するのはいかがなものか」という批判があり、そのことについて意見を求められたジュリア・ロバーツは「この映画はおとぎ話なの」と一刀両断。確かに、ドン底の暮らしから金持ち男性に出会い、高級ブティックで買い物三昧するというのは女性が憧れる「シンデレラ・ストーリー」なのかもしれない。

念のため言い添えておくと、性産業に従事する人たちを描いた作品は古今東西にあり、そのこと自体が問題なわけではない。また、「娼婦を美化するのはいかがなものか」という公開当時の批判は職業差別的であり、それ自体が現代からすると古臭く思える。

一方で本作は非常に男性目線が強い作品であり、「娼婦を買って、カネに物を言わせて自分好みの女性にする」という性的妄想を具現化しているという側面は否めない。

いずれにせよ、現代では倫理的に突っ込まれそうな、議論の余地のある作品であることは間違いない。

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