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最悪の改変…原作者がブチギレた? いわくつきの民放ドラマ(3)やりすぎ…衝撃展開連発で脚本家激怒の結末は?

text by 寺島武志

日本で製作されるドラマの多くは、小説や漫画が原作になっている。世界観を忠実に再現した作品は高評価を得ることができ、ドラマにも原作にも相乗効果を生む。しかし中には、ありえない改変をほどこし、視聴者のみならず原作者まで敵に回してしまう残念な作品が存在する。そこで今回は、原作者が激怒したドラマを5本紹介する。(文・寺島武志)

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違法薬物事件で引っ張る路線に疑問

『三年B組金八先生』第7シリーズ

武田鉄矢【Getty Images】
武田鉄矢Getty Images

主演:武田鉄矢
放送期間:2004年10月15日~2005年3月25日
放送時間:金曜22:00~22:54
放送局:TBS系
原作:小山内美江子
脚本:小山内美江子(第10話まで)→清水有生(第11話以降)
最高視聴率:19.2%
他キャスト:木場勝己、木野花、小西美帆、深江卓次、マリエム・マサリ、森田順平、星野真里、上戸彩、平愛梨、増田貴久、風間俊介、

【作品内容】

シリーズ25周年となった本作。坂本金八(武田鉄矢)が、前校長と対立し、教育委員会に異動した2年後、家庭科教師の小林花子(小西美帆)の産休によって代理教師として桜中学に戻ってくる。

当初3月末までの予定だったが、花子の育児ノイローゼになり産休期間が延び、金八は引き続き3年B組を担当することになる。しかしその時点で既に3年B組は学級崩壊を起こしており、金八は悪戦苦闘する。

【注目ポイント】

当時、社会問題となっていた犯罪の低年齢化をドラマの内容に落とし込んでおり、違法薬物や児童虐待、発達障害のある生徒への偏見やイジメ、給食費未納などといった重いテーマを積極的に扱っている。

生徒の丸山しゅう(八乙女光)が覚醒剤使用容疑で、学校に警察が乗り込んできて逮捕されるという衝撃的なシーンもある。

しゅうは薬物によって突然暴れたり、幻覚を見て床の水を舐めるという奇行のシーンはかなりのインパクトがあった。

彼の家庭も父は薬物中毒、母は虐待と救いようもない劣悪過ぎる環境だった。ここまでくればもはや、一教師がどうこうできる問題ではないだろう。

本作のハイライトは作中ではなく、原作者であり、長く脚本も担ってきた小山内美江子の途中降板という“事件”だ。

表向きは「体調不良」とした小山内だったが、裏では自身の方向性とは異なり、ストーリー面で、違法薬物事件で引っ張る路線に舵を切った製作側と齟齬が生じてしまったからだと言われている。

そのせいで、他に問題のあった生徒たちのその後が描かれないまま、放送は終了してしまった。小山内はその後のシリーズでも脚本に復帰することはなく、後を継いだ清水有生にとっては気の毒としか言えない事態となった。

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