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満足度高すぎてロス発症…最高に面白かったベスト冬ドラマ(4)誰もが続編希望…! NHKが仕掛ける傑作は?

text by 寺島武志

季節の変わり目となり2024年1月期のドラマが続々と終焉を迎えている。配信で様々な作品が気軽に観られる時代の中、テレビも負けじと良作を生み出している。 今回は、1月から3月にかけて放送された冬ドラマ作品の中でも最も好評だった作品を5本セレクト。作品の内容を振り返りながら、高評価に繋がった要因を解説する。(文・寺島武志)

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不動産業界の闇を描く。山下智久主演、2年越しの続編

『正直不動産2』

山下智久
山下智久Getty Images

放送期間:2024年1月9日~3月12日
放送時間:火曜22:00~22:45
放送局:NHK総合
原作:大谷アキラ(漫画)、夏原武(原案)、水野光博(脚本)
脚本:根本ノンジ、清水匡、木滝りま
キャスト:山下智久、福原遥、ディーン・フジオカ、倉科カナ、高橋克典、草刈正雄、市原隼人、松田悟志、山﨑努、大地真央、長谷川忍、泉里香、松本若菜、板垣瑞生、伊藤あさひ、財津優太郎、馬場徹

【作品内容】

「登坂不動産」に働く永瀬財地(山下智久)は地鎮祭の際に祠を壊してしまった祟りで、嘘がつけない体になってしまった。戸惑いながらも“正直営業”で、後輩社員の月下咲良(福原遥)と共に顧客から信頼を得ていく。

【注目ポイント】

2022年4月から、山下智久の主演によって放送された『正直不動産』の、2年越しの続編として製作された本作。

元暴力団員である夏原武の原案により、スポンサータブーのないNHKのアドバンテージを大いに生かし、不動産業界にとっては都合の悪い暗部に切り込むストーリーが視聴者を惹き付けただけではなく、山下智久の久々のテレビドラマ主演作であることでも注目された。NHKにとっても、「ドラマ10」枠が金曜から火曜に移行した第1作目とあって、力の入る作品であったはずだ。

前作では、もっぱら勤務先の「登坂不動産」社内のエピソードを描いており、ノルマに厳しい営業部長の大河(長谷川忍)が永瀬を咤激励するために、“稼ぎが悪かったら遠洋漁業に出すぞ!”という意味を込めた釣りのポーズがお約束だった。

続編である本作では、元登坂不動産社員にして、販売ノルマのためなら平気で違法行為に手を染める神木涼真(ディーン・フジオカ)を入社させた、近所の同業他社である「ミネルヴァ不動産」との対決を中心に描いたこともあって、世界観が一気に広がった。

かといって、不動産業界の闇を暴くというメインテーマを疎かにすることもなく、逆に神木という明確な悪役の登場によって、ドラマの深みが増した印象だ。

さらには永瀬と、融資担当の銀行員・榎本美波(泉里香)の恋愛パートも挿入され、エンディングでも余白を残し、原作マンガも未完であることから、早くもさらなる続編を期待する声もある。

本作を足掛かりに、民放テレビドラマの主役にも返り咲いた山下。だからこそ、本作に対する思い入れは強いはず。そう遠くない未来に、3作目が製作されることを期待したい。

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