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実は超低予算だったメガヒット映画は…?コスパ最高の名作映画(4)衝撃展開が神がかり…考察欲をくすぐるのは?

text by 編集部

映画製作には莫大な費用が掛かる。しかし、人の心を掴む作品は必ずしもお金が掛かっていることとは比例しない。今回は、低予算にも関わらず、製作費を大いに上回る興行収入を叩き出し、大金を稼いだ大ヒット洋画作品を5本セレクト。今もなお人々の心に残る名作のヒットに至るまでの経緯や、製作の裏側を徹底解説する。

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奇想天外、予測不可能なストーリーが話題に
人種差別がテーマのミステリアスホラー

『ゲット・アウト』(2017)

ジョーダン・ピール
ジョーダンピールGetty Images

上映時間:103分
監督:ジョーダン・ピール
脚本:ジョーダン・ピール
出演者:ダニエル・カルーヤ、アリソン・ウィリアムズ、ブラッドリー・ウィットフォード、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、スティーヴン・ルート、ラキース・スタンフィールド、キャサリン・キーナー

【作品内容】

写真家のクリス・ワシントンは、恋人のローズの実家に挨拶へ行くことになった。黒人のクリスは、裕福な白人のローズの家族に対して引け目を感じていたが、予想に反して歓迎される。しかし、家族たちの態度にはどこか違和感があり、なぜか話題は人種差別に関することばかり。さらにローズ家の使用人のジョージナとウォルターはさらに奇妙で、笑顔で涙を流すなど異様な行動を見せる…。

ジョーダン・ピールが脚本・監督を務め、サプライズヒットとなったミステリアスなホラー映画。

【注目ポイント】

新人監督が低予算でも意欲的な作品を作り上げてスマッシュヒットを果たす、という図式は、ホラー映画の独壇場だった。ホラー作品なら、監督やキャストのネームバリューに頼らなくても、ある程度の売上げが見込めるため、新人でもアイディアとセンスで果敢にチャレンジすることができる。

2000年代に入って、そんなビジネスモデルを愚直に行っているのがジェイソン・ブラム率いるブラムハウス・プロダクションだ。2007年に『パラノーマル・アクティビティ』でビッグヒットをモノにすると、さっそくシリーズ化しつつ、次々とホラー映画を製作。その中から『パージ』、『インシディアス』など、ヒット作も生まれた。

そこで白羽の矢が立ったのが、コメディアンとして活躍していたジョーダン・ピール。以前よりホラー映画に取り組んでみたいと公言していたピールをジェイソン・ブラムが抜擢、オリジナル脚本で初監督作『ゲット・アウト』を製作する。

謎を呼ぶ不穏なビジュアルで引き付け、奇想天外な設定と予測不能なストーリーで大きな話題となり、大ヒット。さまざまな解説を読んでから見直すとより楽しめるという、「考察型」の要素もあり、リピーターも続出し、450万ドルの予算で世界興行収入2億5000万ドル以上を稼ぎ出した。

ヒットの要因のひとつに、公開当時にアメリカでレイシズムに反対する「ブラック・ライヴズ・マター」運動などが盛り上がっており、人種差別的なテーマに注目が集まったというタイミングもあったという意見もあるが、それも作品の力があったからといえるだろう。

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