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史上最高のTBS「日曜劇場」ドラマは? 社会現象の超傑作(3)衝撃すぎる真犯人…日本中がかじり付いたのは?

text by 寺島武志

数々の名作を生み出してきたTBSドラマ「日曜劇場」枠。出演した俳優がことごとく名を揚げることでも知られるが、中には社会現象を巻き起こすほどの名ゼリフ、名シーンが生まれることも。今回は、過去に放送されたTBS「日曜劇場」作品の中から、最も評価の高い5作品を厳選し、作品の魅力とともにご紹介する。(文・寺島武志)

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過去と現在を行き来し父の冤罪を晴らすタイムリープ系サスペンス

『テセウスの船』

鈴木亮平
鈴木亮平Getty Images

放送期間:2020年1月19日~3月22日
原作:東元俊哉
脚:高橋麻紀
最高視聴率:19.6%
キャスト:竹内涼真、鈴木亮平、榮倉奈々、安藤政信、貫地谷しほり、芦名星、竜星涼、せいや(霜降り明星)、今野浩喜、仲本工事、白鳥玉季、番家天嵩、柴崎楓雅、上野樹里、ユースケ・サンタマリア、六平直政、笹野高史、麻生祐未

【作品内容】

自身が生まれる前に、殺人犯として逮捕された佐野文吾(鈴木亮平)を父に持つ田村心(竹内涼真)。加害者家族として世間から厳しい目を向けられる一家は、引越しを繰り返す人生を歩んできた。

心の妻・由紀(上野樹里)は「冤罪の可能性がある」と心を励まし続けるが、妊娠中毒症で死亡してしまう。「自分の父親を信じてみて」という妻の言葉から、父と過去の事件に向き合う決意を固め、事件が起きた音臼小学校跡地を訪れると、突然、事件が起きる前の1989年1月7日にタイムスリップ。

そこには、地元民から愛される駐在員であり、田村家の良き父でもある文吾の姿があった。心は事件の真相を探るために過去と現在を行き来しながら、文吾の無実を明らかにしていく。

【注目ポイント】

講談社「モーニング」で連載された東元俊哉の漫画を原作としたタイムリープ系サスペンスドラマである本作。

『JIN-仁-』に続き、こちらもタイムスリップものだが、過去を変えることで未来が変わることへの葛藤が描いた『JIN-仁-』に対し、本作は過去の未解決事件の真相を突き止めることに主軸を置いたサスペンスものであり、やや趣が異なる。

同枠での前作が木村拓哉主演で高視聴率を記録した『グランメゾン東京』(2019)、次作が『半沢直樹Ⅱ』(2020)と大作の間に挟まれたこともあり、決して前評判が高いとは言えなかった。しかし、初回放送の11.1%から尻上がりに視聴率を上げ、結果的には、平均視聴率も最高視聴率も『グランメゾン東京』を上回る結果を残した。

ギリシャ神話に記述がある“テセウスの船”という、謎めいたタイトルに沿うようなサスペンスフルなストーリーと、デビュー作である『仮面ライダードライブ』(2014)を除けばドラマ初主演となる竹内涼真の熱演が光り、さらに、原作とは異なる真犯人の存在など、視聴者の考察を引き出す仕掛けも奏功した形となった。

複雑になりがちなシナリオだが、時系列も良く整理されており、“過去に戻って、冤罪の父の無実を証明する”という芯となるテーマが確立していたため、視聴者にとっても入り込みやすい作品に仕上がっていたことも、成功した要因の1つだろう。

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