ドラマ『晩餐ブルース』第3話考察&感想レビュー。3人が微笑ましい…「鍋」で視聴者まで救われた気持ちになった理由とは?【ネタバレ】
井之脇海&金子大地がW主演のドラマ『晩餐ブルース』(テレ東系)が、毎週水曜深夜にて放送中だ。本作は、仕事に忙殺されるサラリーマンと、夢から挫折し人生休憩中のニートが晩ご飯を一緒に食べる”晩活”グルメドラマ。今回は、第3話のレビューをお届け。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
「晩活」で視聴者も救われた気持ちに
子供の頃、食卓には栄養バランスが考えられた温かくて美味しい手作りの料理が並んでいた。それが当たり前じゃないと気づいたのは、ひとり暮らしを始めてから。日中活動をしながら、ちゃんとした食事を摂るのは結構難しい。最初は気合を入れて自炊していたが、どんどん適当になり、カップ麺やコンビニ弁当に頼ることが多くなっていった。
どちらも便利で美味しいけれど、なんだか罪悪感があるし、そればかりだと流石に体もだるくなってくる。身体と心は結びついているもので、そうすると心も不思議と疲弊していくのだ。
逆もまた然り。優太(井之脇海)は毎日じゃないけれど、耕助(金子大地)と晩餐活動=晩活を通じて少しずつ元気を取り戻していた。一緒に夜ご飯を作って食べる。ただそれだけだけど、その丁寧さが仕事に忙殺される優太の心を癒してくれるのだろう。
心が元気になると、身体が動く。優太は足の踏み場もない部屋を片付けようという気になっていた。
でも、そういう時に限って忙しくなるもので、木山(石田卓也)から大量の仕事を投げられ、気づいたら職場でてっぺんを迎えていた優太。帰って掃除する元気は当然なく、朝は家を出るギリギリの時間に目が覚め、事前にまとめていたペットボトルも捨て忘れていた。身に覚えのある描写が多く、苦笑いすることしかできない。
変われるかもって思ったら、現実に引き戻されて結局元通り。職場の喧騒に押しつぶされそうになる優太が見ていて苦しい。そんな時、耕助から送られてきた「今日、鍋にしない?」というメッセージにこちらまで救われた気持ちになった。