ドラマ『ライオンの隠れ家』（TBS系）が放送中。本作は、主演の柳楽優弥＆坂東龍汰演じる兄弟の前に、謎の少年「ライオン」が現れたことで、2人の生活が一変していくことになる。家族愛や兄弟愛の変化を描く愛と絆の物語だ。今回は、第9話のレビューをお届け。（文・あまのさき）【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール：あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

祥吾（向井理）の生い立ちが明らかに

　洸人（柳楽優弥）と美路人（坂東龍汰）が留守にしている間に樺島（後藤剛範）がやってきた。愛生（尾野真千子）は愁人（佐藤大空）を守ろうと抵抗するが、「離婚の手続きをするために1度戻ってきてほしい」という祥吾（向井理）からの伝言を信じ、樺島に従った。

　洸人たちが帰って来るまで待っていてくれれば、いや、せめて書き置きのひとつでも残してくれれば…。でも、それすらもままならなかったのだろう。これまで愛生がどれだけ祥吾から暴力を受け、それがトラウマになっているのかを改めて突きつけられたようだ。

　直江津港では、フェリーから降りてきた樺島を柚留木（岡山天音）が食い止めようと試みるが、力でねじ伏せようとする樺島の前になす術なし。おそらく、柚留木も虐待サバイバー。だから、暴力に苦しめられている愛生のような人たちを救う手助けをしているのだろう。きっとそれはかつての自分が欲しかった救いの手だ。

　愛生たちを迎えた祥吾は、どこかしおらしく、反省の色が見えるようだった。食事が済み、愁人が眠ったあとですぐに離婚届を差し出した祥吾にほだされるように、愛生は最後に家族3人の時間を過ごすことを了承する。

　その頃、愛生の家を訪ねた洸人たちは工藤（桜井ユキ）と天音（尾崎匠海）と合流し、祥吾の生い立ちを聞かされる。病弱だった長男・春一（黒田大輔）に代わってたちばな都市建設を継ぐために養子として迎えられたが、春一が回復し、居場所を失ったという。