中高年の観客で大賑わい…『劇場版ドクターX』がもたらす稀有な贅沢とは? “お仕事ドラマ”としての魅力を解説&評価レビュー
text by 編集部
2012年から放送されたドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)シリーズの完結編が、『劇場版ドクターX』として公開中だ。今回は、米倉涼子演じる大門未知子の過去が明かされる本作について、見どころを解説する。(文・小林久乃)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:小林久乃】
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にて作家デビュー。最新刊は趣味であるドラマオタクの知識をフルに活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディア構成、編集、プロモーション業などを生業とする、正々堂々の独身。最新情報は
とびきりの贅沢が詰まった128分
2012年から連続ドラマとして放送スタートとなった『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』。フリーランスの名外科医・大門未知子(米倉涼子)が
「私、失敗しないので」
という決め台詞とともに、次々に患者を救う物語だ。言うなれば女性版・水戸黄門というところだろうか。患者がどんな窮地に立たされたとしても、悪を退治して、命を助ける医師。それが大門だ。
放送から12年、『劇場版ドクターX FINAL』として終焉を迎える。12月6日の公開からたった3日間で、観客動員44万1421人、興行収入6億387万8700円(12月6日~8日、興行通信社調べ)という記録から、往年の作品ファンが多いことを伺える。 私たちが鑑賞をする128分間には、どんな物語が詰まっているのだろうか。期待しながら劇場へ向かうと、そこには とびきりの贅沢が詰まっていた。