山崎ハコ「たった1人だという孤独は、牙なのだとわかった」ドキュメンタリー映画『風に立つ愛子さん』著名人よりコメント公開
3.11の大津波で石巻の家を流された「おひとりさま」高齢女性の亡くなるまでの8年間を記録した、被災以後のドキュメンタリー映画『風に立つ愛子さん』が2025年2月22日(土)よりポレポレ東中野にて公開される。予告編に併せて、山崎ハコ、寺田和弘らがコメントを寄せた。(文・編集部)
ずっと孤独だった彼女の、
晩年に襲った大津波が人生を変えた―
2011年の東日本大震災で石巻の家を津波に流された当時69歳の村上愛子さん。避難所での集団生活は、今まで知り合うこともなかった近隣の方と寝食を共にし、皆と心のつながるかけがえのない時間になったという。本作は、震災後の8年間、愛子さんをの人生を映し出した作品となっている。
今回公開された予告編は、避難所から仮設住宅に引っ越したばかりの愛子さんの姿から幕を開ける。その後、新しい生活にも少しずつ馴染んでいき、同じ仮設住宅の人々とも交流している姿が描かれていく。
【予告編】
著名人よりコメント公開
ずっと独り暮らしだった愛子さんは、避難所で家族を得た様にワイワイと暮らす。仮設住宅が当たっても外に出て人と笑って話す。更に復興住宅が当たると、震災を生き延びた強かりし年寄りはいとも簡単に壊されていく。人の為の住宅で。「津波で凍っていた心が溶け出したから涙ばかり出る。」と泣いた愛子さん。「私が生きてたって事わかってくれる人いるよね!」と喜んだ愛子さん。たった1人だという孤独は、牙なのだとわかった。
ーー山崎ハコ(シンガーソングライター・俳優)
愛子さん、あなたの生きた道のりは、過去の「思い出」になる前に、今、私たちに届きましたよ。
ーー安田菜津紀(メディア NPO Dialogue for People 副代表/フォトジャーナリスト)
この作品には「愛」が溢れている。愛子さんは歩んできた人生の記録を藤川監督に託した。藤川監督はそれを受け止めカメラを回し続けた。それは2人の「愛」の記録として映画となった。そして、この作品を観て気づく。孤独や絶望が続くことはないことを。「愛」は私にも、あなたにも出会う機会があることを。
ーー寺田和弘(映画監督 『「生きる」大川小学校津波裁判を闘った人たち』)
【作品情報】
出演:村上愛子、石川ゆきな、湊小学校避難所の人々、石巻市仮設住宅の人々
監督・撮影:藤川佳三/編集:今井俊裕/実景撮影:田中創/整音:黄永昌/音楽:植田智道/仕上げ:田巻源太/協力プロデューサー:藤田功一
製作:IN&OUT/配給:ブライトホース・フィルム/宣伝:大久保渉/デザイン:中野香/予告編制作:北川帯寛
特別協力:石巻市立湊小学校
文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業
座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルコンペティション入選作
2024年/79分/16:9/ステレオ/DCP
©2024 IN&OUT
公式サイト
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