鈴鹿央士&松本穂香の関係はどうなった? 2人の距離感にしっくりきたワケ。『嘘解きレトリック』最終話考察レビュー
text by 菜本かな
鈴鹿央士&松本穂香がW主演を務めるドラマ『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)が完結を迎えた。本作は、借金まみれの貧乏探偵とウソを聞き分ける能力者の異色コンビによる、レトロモダン路地裏探偵活劇。今回は、最終話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
”嘘”の解釈がだんだんと変わっていく…。
多くの人は、人生のどこかのタイミングで「嘘をついたらダメよ」と言われた経験があると思う。“嘘つきは泥棒の始まり”という言葉もあるくらいだし、「嘘=悪」というイメージは、わたしたちの頭のなかに植え付けられている。
筆者も、小さなころは正直であることこそが善だと信じ込んでいた。しかし、大人になると、お世辞や社交辞令という名の嘘をつくことを求められるようになる。
そして、それができないと、「あの人は、人付き合いが下手だよね」なんて後ろ指をさされてしまう。だから、“嘘も方便”と自分に言い聞かせて、物ごとを円滑に進めていくために嘘をついている人も多いのではないだろうか。
ついに、最終回を迎えた『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)。全11話を通して、自分のなかの嘘の解釈がだんだんと変わっていくのを感じた。
さまざまな嘘を取り上げてきたなかでも、序盤は打算や悪だくみ、保身のためにつく悪い嘘が多かったように思う。しかし、終盤に近づくにつれて、この世界はたくさんの優しい嘘で成り立っていることに気づかされた。
鹿乃子(松本穂香)は、「人は、どうして嘘をつくんだろう。もしも、誰も嘘がつけなかったら、今より幸せなのか、苦しいのか?」と言っていたが、誰かを守るための優しい嘘なら、ついてもいいのではないか? と思うようになってきた。