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炎上どころか大絶賛…最も成功した少女漫画の実写化は?(2)演技が良すぎて引き込まれる…原作ファン納得の理由

text by かんそう

「こんな恋がしてみたい」と、世の女性たちの心をときめかせてきた“少女漫画”。実際にはありえないような夢物語も特徴の1つであり、実写化作品の失敗例は多く、まさに死屍累々である。しかし、中には原作ファンの心を掴むことに成功した作品も。今回は少女漫画の実写化を見事に成功させた映画を紹介する。第2回。(文・かんそう)

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感情崩壊間違いなしの少女漫画実写

『溺れるナイフ』(2016)

小松菜奈
小松菜奈【Getty Images】

監督:山戸結希
原作:ジョージ朝倉
脚本:井土紀州、山戸結希
キャスト:小松菜奈、菅田将暉、重岡大毅、上白石萌音、志磨遼平、斉藤陽一郎、嶺豪一、堀内正美、市川実和子、ミッキー・カーチス

【作品内容】

 東京でモデルをしていた夏芽(小松菜奈)は、父の故郷である田舎に引っ越すことに。田舎での生活にがっかりする夏芽だったが、地元一帯を仕切る神主一族の跡取り息子コウ(菅田将暉)と出会い、お互いに惹かれ合っていく。

 原作は『別冊フレンド』(講談社)にて、2004年~2014年まで連載された映画化された同名コミック。作者は『ピース オブ ケイク』でも知られる漫画家・ジョージ朝倉。映画『あの娘が海辺で踊ってる』『5つ数えれば君の夢』などの山戸結希監督がメガホンをとり実写映画化した青春ラブストーリー。

【注目ポイント】

 出演は小松菜奈、菅田将暉、上白石萌音、重岡大毅など。まず映画が始まって10秒で、小松菜奈演じる、人気モデル・望月夏芽の圧倒的な可愛さに目が焼かれ、失明しそうになる。太陽のおよそ500倍はあるのではないかと思うほどの眩しさ。この時点で、溺れるナイフの実写化が「成功」であるという何よりの証明になってしまった。

 東京で光を浴び続けた夏芽が、目を疑うようなド田舎に越してくるところから物語は始まるのだが、そこで出会ったのが、菅田将暉演じるコウだ。ここで私の両目は完全に逝ってしまった。この世で菅田将暉以外に似合う人間はいないのではないと思うほど鮮やかな金髪、目が合えば切り刻まれてしまいそうなほど鋭い瞳、その異質とも言える存在感に一瞬で画面が支配された。

 さらにそれと対照的に、上白石萌音演じるカナと、重岡大毅演じる大友の親しみやすさが別の意味で眩しすぎる。

 誤解を恐れずに言えば、仮にこの4人と同じクラスになった場合、私は前者2人にはどうあがいても近づくことはできない。2人が仲良さそうに話しているのを視界に入らないくらい遠くから指をくわえて見ているだけだろう。しかし、後者2人は違う。そんな私に対し、「なにしけたツラしとるんじゃ?」と肩を叩いてくれるのだ。しかし、私は突然のことにたじろぎ、「アッ、あ? べ、別に?」とマイナス100億点の返しをして、2人を困らせてしまうだろう。

 実写映画は、原作のファン以外に、その役者のファンも納得させなければいけない。その点において本作は、メインキャスト4人それぞれの当時の「最高到達点」とも言える演技だったのではないだろうか。そんな天才4人によって様々な感情を同時に味わわせられる感情崩壊間違いなしの恋愛映画。心して見てほしい。

(文・かんそう)

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【了】

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