「亮子はRPG(ロールプレイングゲーム)の勇者のイメージ」ドラマ『モンスター』三宅喜重監督が語る趣里の凄さとは?
月10ドラマ『モンスター』(カンテレ・フジテレビ系)が 12月23日(月)に最終回を迎える。今回は、本作のチーフ演出を務める三宅喜重監督にインタビューを敢行。主演を務める趣里について、亮子と杉浦のバディのイメージ、作品作りに込めた思いなど幅広くお話を伺った。(取材・文:ふくだりょうこ)
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【著者プロフィール:ふくだりょうこ】
大阪生まれ関東育ちのライター。
大学卒業後からライターとして活動、シナリオ制作やエンタメジャンルの記事を中心に執筆。
ドラマと邦画、ハイボールと小説が好き。
「亮子はRPG(ロールプレイングゲーム)の勇者のイメージ」
―――このドラマの企画をお聞きになられたときの印象はいかがでしたか?
「『モンスター』というタイトルと企画書を見たときは、正直、どうなるかよく分からないな、と思いました。高校生の女の子が若くして弁護士資格を取って、活躍するという展開は、悪い言い方をすれば、ありがちじゃないかと。
ただ、その時にはもうすでに橋部(敦子)さんの1話初稿が出来ていて、それを読んだらすごく面白かったんです。企画書とは全く違っていて、主人公がミステリアスで、物語にも余白があるというのかな。これは面白く作れそうだなと思いました」
―――確かに趣里さん演じる亮子は、何を考えているのか分からない、ミステリアスな雰囲気がありますね。
「そう思っていただけたら嬉しいですね。主人公像を作っていくときに、高校を卒業してから10年間、世の中に出ていない間は何をしていたんだろう?と。彼女はもともと父親とゲームをするのが好きで、そのゲーム感覚で裁判をやっていきます。ゲームをするときに顔色や表情で自分の思考を悟られると負けてしまいますよね。
だから、何を考えているか分からない、読まれないようなキャラクターにしたかったんです。逆に相手の話を聞きながら、その奥にあるものを読み取ろうとしているようなキャラクターにもしたいと考えていました」
―――趣里さんとはどのようなお話をされたんですか?
「クランクイン前に、ざっくりとしたキャラクターの設定について話して、あとはシーンごとにこういう感じかな、というのは話しました。
1話の脚本を読んだときに、主人公がロールプレイングゲームをしているような印象を受けたんです。とりあえずいってきます、って出かけていって、普通の人だったら行かないようなところにもいろいろ行って、戻ってくる。そんな感じだな、と」
―――そうお聞きすると、確かに勇者っぽいイメージです。
「そうそう(笑)。勇者・亮子についていく杉浦、というイメージでした」
―――杉浦のキャラクターはどのように作られていったのですか?
「杉浦って良いやつじゃないですか。すごく育ちがいいというか、愛されて育った感じがしたんですよ。それをそのまま、はめ込んでいます。何事にも一生懸命に取り組むけど、どちらかというと不器用。たぶん、教えられたことはきっちりとできるから勉強はできる。でも、あまり冒険はしないから、きっと初めてのことには弱いんですよね。
逆に亮子は、勉強はあまり好きじゃないけど、好きなことはとことんやります。やりたいことが見つかったらぶつかっていく。そういう正反対のふたりのコンビが見たいな、と思ったんですよね」