朝ドラで“主役を食った”女優は? スゴい演技で魅せた宝石5選。ヒロインを凌駕するほどの芝居で魅せた女優をセレクト

text by 阿部早苗

1961年にスタートしたNHK連続テレビ小説、通称“朝ドラ”。月曜日から金曜日まで毎朝8時から放送され、通勤や通学前など、生活の一部となっている人もいるだろう。今回は、そんな朝ドラの中から、主役を食うほどの演技で存在感を放った女優5選をお届けする。(文・阿部早苗)

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【著者プロフィール:阿部早苗】

仙台在住のライター。2020年にライターデビュー。これまで東日本大震災での企業活動をまとめた冊子「こころノート」第2弾、プレママ向けフリーペーパーを執筆した他、エンタメニュース、福祉関連記事、GYAO トレンドニュース、地元グルメライターなどWEB媒体を中心に執筆。映画なしでは生きられないほど映画をこよなく愛する。

空気をガラリと変える圧倒的な存在感

清原果耶『なつぞら』(2019)

清原果耶
清原果耶【Getty Images】

 2019年4月から9月にかけて放送され、朝ドラ記念すべき第100作目となった連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合)は、広瀬すずがヒロインを務めた。戦争で両親を亡くした主人公・奥原なつが、北海道・十勝の大自然の中でたくましく育ち、やがて日本アニメの黎明期を支えるアニメーターとして成長していく姿が描かれている。

 広瀬すず演じる奥原なつの成長を中心に描きつつも、とりわけ目を引いたのは、なつの生き別れた妹・千遥を演じた清原果耶ではないだろうか。広瀬すずの芯のある演技もさるごとながら、清原が登場するシーンは、画面の空気が一変するようだった。なつと再会を果たした千遥の心の葛藤や孤独を表情や声に滲ませ、セリフが少ない場面でも、佇まいだけで物語を語る力があった。

 さらに、当時17歳の清原は、キャラクターの成長に合わせ、小学生の娘を育てる30代の母親という難役にもチャレンジ。生き方に悩む女性の内面を、目線の上げ下げや、細かい所作によって丁寧に表現し、シーンによってはヒロインを凌ぐほどの存在感をみせた。

『あさが来た』に続いて2度目の朝ドラ出演を果たし、その確かな演技力でさらなる注目を集めた清原。2021年には『おかえりモネ』でヒロインに抜擢されるとSNSでは歓喜の声が相次いだ。脇役で結果を残してヒロインにステップアップ…という朝ドラの王道を軽やかに歩んでみせた清原の今後の活躍からも目が離せない。

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