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クライマックスに大号泣…神木隆之介の一人二役に隠されたまさかの真相とは? 日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』最終話レビュー

神木隆之介主演の日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』。本作は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大なヒューマンラブエンターテインメント。さっそく、最終話を振り返ろう。(文・野原まりこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

鉄平が消えた全ての真相

『海に眠るダイヤモンド』最終話 ©TBSスパークル/TBS
『海に眠るダイヤモンド』最終話 ©TBSスパークル/TBS

 1965年3月。新区域から石炭が出たことで端島には少しずつ活気が戻ってきた。その一方で、島民たちの間では鉄平(神木隆之介)とリナ(池田エライザ)の仲を疑う噂も立っていた。

 そんなある日、朝子(杉咲花)は鉄平から「話がある」と呼び出されるも、いつまで経っても鉄平が姿を見せることはなかった。その夜、鉄平とリナが船で端島を出るのを見たという人がいて、2人は駆け落ちしたのではと噂が広まった。

 しかし、真相は噂とは全く違った。進平(斎藤工)が殺したヤクザの仇を取ろうと、仲間がリナと進平の息子・誠を誘拐。誠を助けようとした鉄平まで命が狙われ、リナと共に逃げるしかなかったのだ。それから鉄平は、ヤクザの追手から逃げるため、日本各地を転々として生きていくこととなった。
 
 時折、賢将(清水尋也)とは連絡をとっていた。鉄平の日記は賢将に託され、その息子・古賀孝明(滝藤賢一)から、いづみの秘書・澤田(酒向芳)を通していづみの手に渡ったのだった。
 
 だが、日記にはもう11冊目があった。澤田が実は、リナの息子・誠であると判明する。リナの罪や自分の正体を知られないように隠したのだと告白した。さらに、10冊の日記に破かれたページや黒く塗りつぶされた箇所は、リナと駆け落ちしたことにするために、朝子との思い出を綴った個所を、鉄平自ら隠滅したものだった。

 そして玲央(神木隆之介)といづみは、再び長崎を訪れる。2人は、祖父が端島の炭鉱夫だったいう船長から、10年ほど前、鉄平が閉鎖される直前の端島を訪れ、あるものを置いていった話を聞く。いづみは慌てて見に行こうとするが、危険だと止められ、実際に見ることは叶わなかった。

 長崎の旅館に戻った2人は、孝明が持っていた8mmフィルムの映像データを見る。そこには若かりし頃の朝子や鉄平が映っていた。しかし、いづみが似ていると言っていた鉄平と玲央の顔が全然似ていないことに気づく。鉄平と玲央の血縁関係はなかった。

 翌日、船長が調べてくれた鉄平の住所に向かった玲央といづみ。鉄平は8年前に亡くなっていた。鉄平が晩年暮らしていた家の庭からは、一面にコスモスが植えられており、海の向こうには端島が見えた。

 そして、朝子が直接目にすることはもう出来ないが、端島には今でも鉄平が作った青色のギヤマンが飾られていた。

 思いがけないラストに多くの視聴者が息を呑んだ『海に眠るダイヤモンド』最終話。Xには、興奮冷めやらない視聴者による、熱気を帯びた感想で溢れていた。

「最終回、2人の朝子と鉄平の場面で胸がつまって涙が出ちゃったよ」「閉山のとき、寂しさとか悲しさだけじゃなくて、みんな前を向いてる感じが見れて最高に良かったな。」「思っていた結末とはちがったけれど、優しさが溢れた素敵なドラマでしたね。」「鉄平の朝子や端島の人達に対する深い愛情から来る行動。納得してはいるけど、やっぱり哀しい。優しすぎるんだね。」「サワダージはさ本当にいい子に育ったよね」「コスモスよかった。」「あの“ダイヤモンド”が今はもう誰も行けないところにあるのがいいな」「家族を抱きしめたくなる最終回だった…」「愛を込めて時間をかけて作ったダイヤモンド。」など、美しくて切ないラストに想いをはせる感想が飛び交っていた。

 視聴者による考察合戦が繰り広げられ、回を追うごとに引き込まれていった本作も、ついに全ての謎が明かされた。残念ながら鉄平と朝子の再会が叶うことはついぞ無かったが、心は満たされているのを感じる。まだしばらくはクライマックスの余韻に浸っていたい。

(文・野原まりこ)

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【了】

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