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史上最高の結末をもつミステリー映画は? 仰天ラスト5選。予想を裏切る驚きの展開にドキドキ…珠玉の洋画をラインナップ

text by シモ

ミステリー映画の魅力は、緻密に張り巡らされた伏線や、予想を裏切る驚きの展開にある。今回は、数ある名作の中から5本の洋画をセレクト。それぞれの作品が持つ独自のストーリー展開やキャラクター描写、そして心を掴むラストのどんでん返しを解説しながら、魅力に迫る。※この記事では物語の結末に触れています。(文・シモ)

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【著者プロフィール:シモ】

東京都出身。横浜市在住。転職5回のサラリーマン生活を経て、フリーランスのライターに。地域情報サイトでの取材記事や映画サイトでの映画紹介記事、ビジネス系記事など、さまざまな執筆の経験あり。現在は、インタビュー記事などにも挑戦中。映画は幅広い国の映画を鑑賞。好きな映画は、『ニュー・シネマ・パラダイス』、『イル・ポスティーノ』、『パリ・テキサス』。

ロマン・ポランスキーが手掛けたノワールミステリーの傑作

『チャイナタウン』(1975)

映画『チャイナタウン』
映画『チャイナタウン』【Getty Images】

監督:ロマン・ポランスキー
脚本:ロバート・タウン
出演者:ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイ、ジョン・ヒューストン

【作品内容】

 第二次大戦前の南カリフォルニア。

 私立探偵を営むジェイク・ギテス(ジャック・ニコルソン)の事務所に、モーレイ氏の妻を名乗る女性が夫の浮気調査の依頼に来る。しかし、ある日モーレイ氏が貯水池で溺死体として見つかって…。

【注目ポイント】

『ローズマリーの赤ちゃん』(2013)や『戦場のピアニスト』(2003)で知られる名匠ロマン・ポランスキー監督が手掛けたノワールミステリーの傑作。本作は、私立探偵ジェイク・ギテス(ジャック・ニコルソン)が、不倫調査を依頼されたことをきっかけに、政治的陰謀に巻き込まれていく姿を描いている。

 冒頭でジェイクは、市の水道局に勤めるモーレイ施設部長の妻(フェイ・ダナウェイ)から浮気調査を依頼される。その後、モーレイ氏が水死体となって発見されるが、不思議なことに「本物の」モーレイ夫人がジェイクの前に現れる…。

 最初にジェイクに接触した「モーレイ夫人」は一体誰なのか? 偽の浮気調査をさせた背後にはどのような企みがあったのか? 調査を進めるうちに、ジェイクは明らかになっていく真実と悲劇的な結末に直面する。

 物語の核心には、実の父親による性的被害を受け、望まない子どもを産むことを余儀なくされた女性の悲劇があり、観る者の胸を締めつける。

 1940年代から50年代にかけて作られた数多くのフィルムノワールの世界観を見事に蘇らせたポランスキー監督の手腕は秀逸である。さらに、主演を務めたジャック・ニコルソンが演じたジェイクの、“決して強くない探偵”像も新鮮で、本作の魅力をさらに引き立てている。

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