似ていないけどハマっている…原作ファンを納得させたキャストは? ドラマ『【推しの子】』考察&評価レビュー
text by 菜本かな
赤坂アカ×横槍メンゴによる大人気コミックを原作に、芸能界の光と影、大人気アイドル・星野アイを殺した犯人を追う映画『【推しの子】 The Final Act』が現在公開中だ。今回は、映画に先立ってプライムビデオで配信されたドラマ全8話のレビューをお届け。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
高すぎる実写化のハードル
「人気漫画の実写化で、炎上は免れない。宿命だよ」
11月28日より配信スタートしたドラマ『【推しの子】』(Prime Video)で、アクア(櫻井海音)がそう語っていたシーンがあった。たしかに、人気漫画の実写化作品で、荒れていないものってなかなか見たことがない。だいたいの場合は、キャストが発表された瞬間から「イメージと全然ちがう!」などという声が上がり、作品の公開を終えたあとも、「やっぱり、原作しか勝たん!」となってしまう。
実際に、『【推しの子】』の原作が大好きだった筆者は、漫画を読みながら「実写化するなら誰かなぁ」なんて考えたこともあるが、本当に制作されるとなると、「好きなキャラのイメージが壊れたら悲しい」という気持ちが強く出てしまった。アクアも言っていたが、そもそも漫画的な表現や、キャラクターが人気の作品を生身の人間で実写化すること自体、ハードルが高すぎるのだ。