時代を象徴する名作ドラマは、舞台をお茶の間から映画館へと移し、さらに我々を楽しませてくれる。物語も演出も壮大となり、思い入れもいっそう強くなる劇場版はファン待望のビッグイベントだ。そこで今回は、史上最も面白いテレビドラマの劇場版を5本セレクトしてご紹介する。第3回。（文・村松健太郎）

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福田組が集結したヒット作

『今日から俺は！！ 劇場版』（2020）

監督：福田雄一
脚本：福田雄一
原作：西森博之
出演：賀来賢人、伊藤健太郎、清野菜名、橋本環奈、仲野太賀、矢本悠馬、若月佑美、柾木玲弥、鈴木伸之、磯村勇斗、ムロツヨシ、柳楽優弥、山本舞香、泉澤祐希、栄信、瀬奈じゅん、佐藤二朗、吉田鋼太郎

【注目ポイント】

　西森博之による累計発行部数4000万部突破のベストセラーコミックの映像化作品。

　本作は、90年代にアニメ化やVシネマシリーズ化された原作を基に、『銀魂』シリーズ（2017～）や『ヲタクに恋は難しい』（2020）などのヒット作を手掛けた福田雄一が制作した。

　原作へのリスペクトを大切にしながらも、彼独自のユーモアや演出をふんだんに取り入れたことで、異色の青春劇として生まれ変わり、敢えて、時代設定を原作通りにしたことで今や絶滅危惧種とも言えるヤンキーやスケバンが多数登場した。

　主演には賀来賢人と伊藤健太郎、そのほかに橋本環奈、清野菜名、仲野太賀らが実年齢を無視して高校生役を熱演してる。

　また俗に“福田組”と呼ばれるムロツヨシや佐藤二朗、お笑いコンビのシソンヌの2人なども顔をそろえている。

　映画版では、柳楽優弥と栄信が演じる強敵との対決を縦軸に、アクションやコメディを織り交ぜたエンターテインメント作品に仕上がり、その結果、興行収入は53.7億円を記録し、特大のヒット作となった。

　クライマックスでは、磯村勇斗や鈴木伸之など、ドラマシリーズでは主に敵対していたキャラクターたちとの共闘が描かれるなど、映画版ならではのサービス精神が随所に感じられる内容となっている。

　このクライマックスの大乱闘シーンを差配したアクション監督の田渕景也は福田雄一を支えるレギュラースタッフの1人で、福田監督の最新作『聖☆おにいさん THE MOVIE～ホーリーメン VS 悪魔軍団～』でもスタッフとして参加している。また実写版『進撃の巨人』（2015～）のスタントコーディネーター、『シン・仮面ライダー』（2023）のアクション監督も務めるなど現在の邦画のアクションを支える人材の1人でもある。

（文・村松健太郎）

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