平祐奈“佳純”の口から語られた被災地の様子に震える…。NHK朝ドラ『おむすび』被災地のためにそれぞれができることとは?
橋本環奈主演のNHK朝ドラ『おむすび』。本作は、橋本環奈演じる平成生まれのヒロイン・米田結が、ギャルとして自分らしさを追求し、あることがきっかけで栄養士になることを志す。そして、人と人とを繋ぐために奮闘する様を描く物語だ。さっそく、第73話を振り返ろう。(文・野原まりこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
今の自分にできること
実家で、東日本大震災が起こったことを知った結(橋本環奈)。同じ頃、チャンミカ(松井玲奈)とニュースを目にした歩(仲里依紗)は、思わず取り乱してしまう。その日の夜、遅く帰ってきた歩を出迎えた結は、何か自分にできることがないかと相談する。
同じく歩も、何かできることはないかと考えていた。すると、これからボランティアに向かうという菜摘(田畑志真)に出会う。歩は愛子(麻生久美子)に、自分も何かできないかと相談するが、愛子は「今の自分にできることをやればいい」とアドバイスする。
地震発生から一週間後。大阪の自宅へ戻った結の元へ佳純(平祐奈)が訪ねてくる。栄養士として気仙沼に応援に行っていた佳純が語った被害状況はひどいものだった。そこでは各地方から集まった医療チームが日夜、人々のために尽力していた。しかし、毎日行われていたミーティングでは、感染症や被害状況の話がメインで、食事の話についてはほとんど触れられなかった。思わず被災者の栄養について疑問を投げかけた佳純だったが、医師に「飯のことはあと」と言われてしまったという。
避難所では、物資や食べ物が十分に行き渡っていなかったどころか、救援物資の整理がされていなかったため、粉ミルク1つ探すのも重労働だった。佳純は「栄養士がもっと早く現地に入っていれば…」と深刻な状況を嘆いた。
東日本大震災が起こった当時の状況を描いた第73話。被災地の人々も、震源地から離れたところで事態を見守っていた人も、当時の状況を思い起こしたのではないだろうか。放送終了後、Xには視聴者による感想が多く上がっていた。
「今日の『おむすび』は色々考えさせられる回だった。」「ワテは当時、関東に住んでてすっごい揺れたの今でも覚えてる、テレビ見て何が起こってるのか分からんかった。」「自宅地域は震度5弱程度の揺れだったけど、あの時のテレビの映像やTwitterのこと、その後の余震のこととか思い出して少し苦しい。」「『自分に出来ることをやればいいと思うよ』愛子さんの言葉はいつもサラッと優しい」など、多くの人が心を痛めていた様子が窺える。
また、届いた物資の管理状況を映し出した描写には考えさせられた。
「医療チームも必死にやったはるのはわかってまさ。カスミンの歯がゆい気持ち伝わるよ。」「まあメシは後回しにされただろうなあ。誰も悪くないからやるせない気持ちになる。」「救援物資の整理から始めないと必要なものが取り出せないよ」といった、どうしようもない状況だった当時、誰のことも責めることはできないが、今後に活かすべき課題を提示されたように思えた。
赤ちゃんを産んだばかりの結や、何か落ち着かない様子の歩が、今後どのようにして震災に向き合っていくのか、見届けたい。
(文・野原まりこ)
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