木曜ドラマ『プライベートバンカー』（テレビ朝日系）が現在放送中。本作は、唐沢寿明演じる《悪魔的》凄腕プライベートバンカーが、大富豪の資産を守るためなら“何でもやる”痛快マネーサスペンス。今回は、第2話のレビューをお届けする。（文・西本沙織）【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール：西本沙織】

1992年生まれ、広島在住のライター。会社員として働くかたわら、Web媒体でエンタメに関するコラムやレビュー記事の執筆を行っている。ドラマや映画、マンガなどのエンタメが好き。

今回のテーマは「卵は一つのカゴに盛るな」

　
「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言がある。資産運用において、投資時期や投資先を分散させることの大切さを説くもの。でも、これって投資に限ったことではないのでは…？『プライベートバンカー』第2話では、お金持ちの愛人をめぐる節税事情が垣間見えた。

　資産7000億超えを誇る天宮寺家のプライベートバンカーとして、一族のなかへ送り込まれた庵野甲一（唐沢寿明）。長男・努（安井順平）が何者かに階段から突き落とされる“事件”が起こったことで、社長である丈洋（橋爪功）の妻・美琴（夏木マリ）に犯人捜しを依頼される。

　プライベートバンカーの仕事の第一歩は、クライアントの信用を勝ち取ること。資産を守るため何でも行う──とはいっても、刑事や探偵のようなことまで行うとは。

　実際のプライベートバンカーとは若干異なるかもしれないが、ドラマならではのジャンルレスな活躍は見ていて楽しい。目的のためなら手段を選ばない…そんなダークヒーロー感を庵野からどことなく感じるのも、また魅力的だ。

　庵野は助手の御子柴修（上杉柊平）と金融素人の新助手・飯田久美子（鈴木保奈美）を連れて、努の周辺を調査することに。すると、元ラウンジ嬢で現ヨガ講師の霧島幸絵（恒松祐里）が、努の特殊関係人…すなわち愛人であると判明する。

　愛情のもつれによる犯行か…？と思いきや。お金も愛もたんまり与えてくれる相手を攻撃するはずがないと、幸絵は真っ向から否定。しかし、ここでさく裂したのが庵野節だ。「失礼な言い方になってしまいますが…」と低姿勢だが、次に飛び出したのは「それは愛ではなく“節税”」という言葉だった。