ドラマ『フォレスト』第2話考察&感想レビュー。岩田剛典“純”の壮絶過去に絶句…恐ろしさが明るみになったキャラとは?

text by 西田梨紗

比嘉愛未&岩田剛典がW主演を務めるドラマ『フォレスト』(ABCテレビ・テレビ朝日系)が放送開始した。仲睦まじいカップルが、お互いについていた「嘘」によって、人間不信の森(フォレスト)へ迷い込んでいくラブサスペンス。今回は、第2話のレビューをお届け。(文・西田梨紗)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:西田梨紗】

アメリカ文学を研究。文学研究をきっかけに、連ドラや大河ドラマの考察記事を執筆している。社会派ドラマの考察が得意。物心ついた頃から天海祐希さんと黒木瞳さんのファン。

鈴子の成功裏に潜む闇

『フォレスト』第2話©ABCテレビ
『フォレスト』第2話©ABCテレビ

 本放送では、楓(比嘉まなみ)の母でありカリスマ経営者の鈴子(松田美由紀)の恐ろしさが明るみになった。実家から逃げ出し、“親はいない”と冷酷なウソをつく楓に同情した視聴者は多いだろう。

 鈴子が経営するホテル・ブランフォレストは過去に食中毒事件を起こしていた。ローストポークを食べた客が病院に緊急搬送されたのだ。鈴子は仕入れ先の中西精肉店に責任を丸投げしただけでなく、自社の信頼を低下させたと訴訟を起こした。しかし、楓が察するように、中西精肉店とこの事故の因果関係は定かではなかった。事実、鈴子は調査機関を買収し、事実とは異なる内容の調査書を作らせていた。

 店主を自殺に追い込んだこの事件の闇はさらに深い。鈴子の秘書・修(堀部圭亮)が「あれが事故ではないということは?」と、鈴子に問いかけるシーンがあった。“あれ”とは前述の食中毒事件を指すが、鈴子は「楓は知らない」と答えていた。意図的に引き起こされた事件だとすれば、その意図は何なのだろうか。

 鈴子は多くの人たちから恨みを買う生き方をしている。純も被害者の一人であるのは確かであろうが、鈴子専属の医師・塔子(水野美紀)も被害者だと憶測できる。前回の放送では純と塔子の関係に疑問が残ったが、本放送では塔子が純の家を訪れ、「あなたも幾島家になんかあるの?」と、純に尋ねるシーンがあった。純は“も”に引っかかっていたが、二人が幾島家とただならぬことがあったのは確かといえよう。

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