日曜劇場『御上先生』第1話考察&感想レビュー。これまでの学園ものとは一線を画している? 最後まで見ると決心したワケ

text by まっつ

松坂桃李主演の新日曜劇場『御上先生』(TBS系)が、1月19日(日)より放送開始した。本作は、東大卒のエリート文科省官僚の御上が日本の教育を変えるため、令和の時代を生きる高校生を導きながら、権力に立ち向かっていく物語だ。本日は第1話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:まっつ】

1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。

『御上先生』はどんな味?

『御上先生』第1話 ©TBS
『御上先生』第1話 ©TBS

 ドラマの第1話でどういうジャンルの作品か判別しようとする人は多いのではないだろうか。

 ただゆったりと楽しんで見ればよいのか、ドキドキすればいいのか、はたまた考察しながら視聴するのが正解か…。どの見方がベストなのか探るというのは、おそらくドラマウォッチャーの間ではそれほど珍しくない動きではないかと思う。

 その点で日曜劇場『御上先生』はまさにどんな味がするのかと吟味したくなる第1話だった。

 物語は、文科省のエリート官僚である御上孝(松坂桃李)がなかば左遷のような形で高校3年生の担任教師になるところからスタート。御上が教壇に立って生徒と向き合い、理路整然と話しながらエリートとは何かを説いている姿を見ると、なるほど確かに「大逆転教育再生ストーリー!」という題目にふさわしい幕開けだなと感じる。

 一方で、生徒側の視点も存分に描かれ、学園ドラマの要素も当然大きい。奥平大兼や影山優佳、永瀬莉子といった豪華な面々が一生徒を演じていることからもそれは明らかなのだが、「新たな学園ドラマ」という形をしっかりと打ち出していることにも気づく。

 そもそもTBSといえば、『3年B組金八先生』や『ドラゴン桜』など時代ごとにマッチした学園ドラマを放送してきた。『御上先生』もそこにカテゴライズされるはずだが、御上が派遣された隣徳学院は超がつくほどの進学校。

 日本の最高学府である東京大学を当たり前に目標とし、勉学に限れば問題児と呼べる生徒はおそらくあまりいない。これまでの学園ものとは一線を画し、賢い高校生ともっと優秀な官僚の会話はドラマ的な予定調和がなく、見ていてストレスも少なかった。

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