今、最も演技が上手い二世女優は? 光輝く宝石(2)けた外れの実力…芝居が上手すぎて“見るのがしんどい”

“親の七光り”という言葉にどういう印象を受けるだろうか。おそらく実力が伴わないままわけもわからず持ち上げられる子に同情するだろう…。しかし、芸能界は親の力だけで生き残れるほど甘くない。そこで今回は、演技が上手い2世女優を5人セレクトしてご紹介する。第2回。(文・野原まりこ)

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親の名声を封印した実力派

趣里

趣里
趣里【公式Instagramより】

 NHK2023年度後期朝ドラ『ブギウギ』(2023)のヒロイン・スズ子役やドラマ『モンスター』(カンテレ・フジテレビ系)の主人公・神波亮子役など、目覚ましい活躍を見せる趣里。ドラマ『相棒』で知られる水谷豊と、元キャンディーズの伊藤蘭を両親に持つことは、周知の事実だ。

 偉大な両親の間に生まれたからこそ、女優業へかける思いも生半可ではない。幼少期にバレリーナを目指していたという趣里は、18歳で演技の勉強を始める。しかし、両親が芸能界の大物であることから、色眼鏡で彼女を見る関係者は少なくなかったのではないかと想像できる。

 そうしたこともあってか、覚悟を持って芝居の世界に飛び込んだと語る趣里は、デビュー当初は親の名前を隠して活動していた。

 日本アカデミー賞新人女優賞を受賞した映画『生きてるだけで、愛』(2018)では、躁鬱病で過眠症の主人公・寧子を演じ、観客に「見るのがしんどすぎる」と感じさせるほど、迫真の芝居で魅せた。とりわけ劇中の「生きてるだけで、本当疲れる」というフレーズに共感した人は少なくないだろう。
 
 カルト的な人気を誇る塚本晋也監督作品『ほかげ』(2023)で主人公を演じる一方、2024年放送のドラマ『モンスター』では、ゴールデンプライム帯の連続ドラマ初主演に抜擢され、型破りな弁護士役を好演。芝居の引き出しの多さを見せつけた。
 
 実力で掴み取ったスターの座。今後ますます進化する彼女から目が離せない。

(文・野原まりこ)

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【了】

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