プロが選ぶ「声が良い」アイドル出身女優No.1は?(2)文句なしで素晴らしい…専門家が舌を巻く最高の美声
男性は目で恋をし、女性は耳で恋をする―。英国の作家ウッドロー・ワイアットが遺した格言だ。しかし、声が重要なのは何も男性だけではない。「印象の4割は声によるもの」というように、女性にとっても武器になりうる。そこで今回は声の専門家に「最高の声を持つ女性アイドル」の選出を依頼。その声の魅力を伺った。第2回。(取材・文:司馬宙)
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どんな役にもなりきれるメゾソプラノの声
早見あかり
―――続いては、元ももいろクローバーの早見あかりさんです。
「早見さんは最高の声をお持ちですね。よく伸びる、はっきり聞こえる、滑舌が良い。文句なしです」
―――早見さんは、2011年4月に、アイドルとしての適性に悩んでももいろクローバーを脱退し、女優に転身されましたね。
「早見さんは、女優に転身されてからの方が声が伸びやかになった印象ですね。レッスンする時間が増えたのと、アイドル時代のプレッシャーから解放されたのが大きな要因かなと思います。
アイドル時代はどちらかというと固くてクールな印象だった早見さんですが、実はアイドルとしての活動よりも女優の活動の方が、早見さんにとってやりたかったことなのかもしれません」
―――早見さんといえば、女優転身後は『すべてがFになる』(2014、フジテレビ系)の天才プログラマー真賀田四季役など、知的でクールな印象が多かった印象がありますが、近年はホラー映画『ミンナのウタ』(2023)で主演のGENERATIONSのマネージャー役を演じたりと、演技の幅が広がっている印象があります。
「ホラー映画はかなり意外ですね。というのも、早見さんは発声がしっかりしているので、どちらかというと元気いっぱいなキャラクターが似合う印象なんです」
―――なるほど、大島優子さんに似たタイプですね。
「そうですね。そういった意味では、ホラー映画への出演は、早見さんにとって新たな挑戦だったのかもしれません。ただ、大島さんの声はメゾソプラノで、ちょうど中間の音域なので、かなりいろいろな役に対応できると思います」
―――なるほど、「つぶしが効く」というわけですね。
「はい。特に、女性アイドルは鼻にかかった声をお持ちの方が多いので、早見さんのような声の方は貴重だと思います」
【日本美声チューニング協会 三浦人美会長 プロフィール】
発声解剖学をベースにした声を出しやすい身体に整える美声チューニング®を提唱。20代はバンドのボーカルとして芸能事務所へ所属。年間300本のライブをこなし歌い続けた経験の中で発声・姿勢・呼吸等、身体のアプローチから声を変えていく手法を実践。バンド活動の終了後は、講師として稼働をスタート。人前で声を扱うことが多い企業代表や芸能事務所所属のアーティストレッスンまで延べ3,000 人以上の方を指導する。
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