NHK大河ドラマ『べらぼう』第4話考察&感想。横浜流星”蔦重”の若さゆえの未熟さが堪らない…今後が楽しみなキャラとは?【ネタバレ】

text by 苫とり子

横浜流星主演の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK総合)が現在放送中。貸本屋からはじまり「江戸のメディア王」にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描く。今回は、第4話の物語を振り返るレビューをお届けする。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

版元としての第一歩を踏み出した蔦重(横浜流星)に逆風が吹き荒れる

『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第4話 ©NHK
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』第4話 ©NHK

「おめえさんはさ、これから版元として書をもって世を耕し、この日の本をもっともっと豊かにすんだよ」

 女郎を花に見立てた入銀本「一目千本」が話題となり、吉原に客足が戻ってきた。この勢いに乗ろうと、女郎屋や引手茶屋の親父たちから女郎の錦絵を作ろうという話が持ち上がる。

 平賀源内(安田顕)から「耕書堂」という堂号(屋号)をもらい、正式に版元としての一歩を踏み出そうとする蔦重(横浜流星)。第4回では、そんな蔦重に逆風が吹き荒れた。

 さっそく錦絵の制作に取りかかる蔦重だが、今回も問題はその費用。色鮮やかな錦絵を作るためには、黒一色の墨摺絵よりはるかに金がかかる。「(金のことは)任せとけ!」と大きく出た親父たちだが、忘八にそんな甲斐性があるはずもなく、彼らはまた女郎たちに金を出させる算段だった。

 しかし、それでは親父たちが得をするだけで、女郎には何の旨味もない。ただでさえ、彼女たちは着物や小間物で金がかかるのだから。いくら吉原を盛り上げるためとはいえ、女郎に頼っていては本末転倒だ。

 そこで、蔦重はかつて歌舞伎の女形・瀬川菊之丞の衣装やヘアスタイルが江戸の女性たちの間で大流行したことをヒントに、呉服屋が売り出したい着物を錦絵で描く女郎に着せてはどうか、と思いつく。代わりに呉服屋から錦絵の制作費を集める、いわばスポンサー広告だ。その発想力には驚かされる。

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