ドラマ『晩餐ブルース』第2話考察&感想レビュー。水曜日の夜は心がここに帰りたくなる…制作陣の”誠実さ”を感じたワケ。【ネタバレ】
井之脇海&金子大地がW主演のドラマ『晩餐ブルース』(テレ東系)が、毎週水曜深夜にて放送中だ。本作は、仕事に忙殺されるサラリーマンと、夢から挫折し人生休憩中のニートが晩ご飯を一緒に食べる”晩活”グルメドラマ。今回は、第2話のレビューをお届け。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
毎週水曜日の夜は心がここに帰りたくなる
「嘘はいけないことじゃないですよ。手放したくなれば、手放せばいいし、必要なうちは持っておけばいい」
趙民和演じるカウンセラーのその台詞が、本作の良心を表しているように思えた。
いきなり少し話が横道に逸れるが、海外ドラマでは登場人物がカウンセリングを受けている場面をよく見かける。というのも、海外では精神医療への敷居が低く、心のバランスを崩した時はカジュアルに精神科医やカウンセラーを頼るのだそうだ。だから、海外ドラマでも本筋とは関係ないところでカウンセリングのシーンが登場する。
対して、日本では未だ精神疾患に対する誤解や偏見が多く、受診にかかる心理的ハードルが高い。そのため、ドラマでも以前はほとんど見かけなかったカウンセリングのシーンが、今期は本作とNHK夜ドラ『バニラな毎日』で描かれているのだ。誰もがもっと気軽に精神医療を受けられて、こういう風に当たり前の光景として人々に浸透していけばいいなと思う。
耕助(金子大地)もカウンセリングを受けている。その理由はまだ分からないが、実は仕事を辞めていた。優太(井之脇海)と週1回の晩餐活動、略して晩活を始めたが、そのことをなかなか言い出せず、罪悪感を抱いていた耕助にカウンセラーが放ったのが冒頭の台詞。
しかしながら、優太は耕助が料理人として働いていたレストランを訪ねた際、彼がすでに仕事を辞めているという事実を知ってしまう。その話題に踏み込むべきか迷う中、印象的だったのは優太がディレクターとして参加したドラマの打ち合わせシーンだ。