『御上先生』考察。ラストでまた新たな謎が…松坂桃李”御上”が与えてくれる気づきとは? 第3話感想レビュー【ネタバレ】

text by まっつ

松坂桃李主演の日曜劇場『御上先生』(TBS系)が現在放送中。本作は、東大卒のエリート文科省官僚の御上が日本の教育を変えるため、令和の時代を生きる高校生を導きながら、権力に立ち向かっていく物語だ。本日は第3話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:まっつ】

1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。

御上(松坂桃李)が与える気づき

『御上先生』第3話 ©TBS
『御上先生』第3話 ©TBS

「考えて」

 御上(松坂桃李)の生徒に向けた優しい声が胸に響いた。

『御上先生』はこれまで全く意識もしていなかったような角度から問題提起を行い、我々視聴者に気づきを与えてくれる。

 2日に放送された第3話では、生徒たち同士での議論が“知という箱“を開けるカギとなっていた。

 問題となったのが、中学教師だった東雲(上坂樹里)の父だ。彼は自作の教材で授業を行っていたが、学習指導要領に違反して学校を辞めることになってしまう。

 その結果、東雲の両親は離婚の道を選び、1人離れて暮らす父は自宅で人知れず倒れていた。父を訪ねた東雲と一緒にいた富永(蒔田彩珠)の迅速な対応もあり命に別状はなかったものの、東雲は文部科学省の官僚でもある御上に怒りをぶつける。

「御上先生にも責任ありますよね?」

 正直、この言葉の直後「どうして?」と問う御上同様に、首をかしげた。1人の大人として、そして第三者として見れば、なぜ東雲の父は注意されながら自作の教材にこだわったのかと疑問が浮かぶ。そして、それこそが罰せられた原因でないかとも結論づけてしまう。

 ただ、御上の冒頭の言葉を聞いているからか、もう少し考えてみたくなる。

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