ドラマ『相続探偵』第2話考察&感想レビュー。赤楚衛二“灰江”のメリハリが作品を格上げ…相続をポップに描く魅力とは?【ネタバレ】
赤楚衛二主演のドラマ『相続探偵』(日本テレビ系)が、現在放送中。クセ強だけど頭の切れる遺産相続専門の探偵が、個性豊かな仲間たちと相続にまつわる事件を、コミカルに、痛快に、時に大真面目に解決していく。今回は第2話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:まっつ】
1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
“魔性の女”登場で増した、ドロドロ感とポップさのバランス
2月1日に第2話が放送され、タイトルは「その女、危険につき」。波乱を巻き起こす存在となっていたのが島村紗流(宮内ひとみ)だ。彼女は過去には結婚と死別を繰り返し、高額な生命保険支払金を何度も受け取ってきた“後妻業”のエキスパート。
そんな彼女をめぐって、今回は中学生の恵蒜真琴(毎田暖乃)と大手生命保険会社『大国生命』の鬼頭倫(矢柴俊博)が依頼へとやってきた。
ほかでもない真琴の父である資産家・島村武三(寺井義貴)が紗流の3人目の夫として亡くなったことが事件の発端。3億円の保険金と7億円近い資産、あわせて10億円もの遺産のすべてを、未亡人となった紗流に相続させるという遺言書を残していたことが、真琴と鬼頭にとって大きな謎となり、真相解明が急務となっていたのだった。
一瞬、第1話に続いて遺産が主題かと思ってしまったが、そもそも主人公である灰江七生(赤楚衛二)が「相続探偵」を名乗っているから、ドラマの基本的なテーマはもちろん相続になる。
1話では小説家の遺言と遺産の謎に焦点が当たり、今回の2話でも死の謎を解きつつ、遺言書がいかにして書かれたかということが縦軸となっていた。
どうしても物語に死が絡んでくると、ドラマにはどんよりとした影を落とす。2話に限れば“魔性の女”ともいえる紗流が登場したことでドロドロ感も増し、見る人を選ぶ作品になってしまう危険性もあった。
しかし、実際の“読後感”は大きく異なる。見ていると1時間があっという間に過ぎ去るようなポップさをこの作品からは感じることができるのだ。なぜだろうかと考えたとき、主要キャラ3人のマンガから飛び出てきたような愛らしさがすぐに思い浮かぶ。