「何度もトライして見つけていく」映画『野生の島のロズ』日本語吹き替え・柄本佑が語る声の芝居の難しさとは? インタビュー
text by 斎藤香
30周年を迎えたドリームワークス・アニメーションが描き出した映画『野生の島のロズ』が現在公開中だ。今回は、本作の日本語吹替版で、キツネのチャッカリの声を担当した柄本佑さんにインタビューを敢行。日本語吹替版収録の裏側や、声のお芝居について、今後の活動などさまざまなお話をお聞きした。(取材・文:斎藤 香)
吹き替えの仕事で最初にすることは声のウォーミングアップ
―――『野生の島のロズ』で柄本さんは、ロボットのロズを警戒し、敵対していたけれども徐々に心を通わせていくキツネのチャッカリを演じていますが、依頼があったときの気持ちを教えてください。
「アニメが好きなのでうれしい気持ちと同時に、『頑張らなくては!』と緊張もしました」
―――声のお芝居をするにあたって準備されたことはありますか?
「発声準備をしました。声を前に出していく作業は、いきなりできるものではなく、声を出して芝居をしていくうちに声が出るようになっていくので、喉が温まって声が乗ってくるのに時間を要するんです。
朝からずっと声の収録をしましたが、初日に収録したシーンを2日目に録り直したりもしました。声で芝居をしていくうちに自分の中でチャッカリの声が見つかっていくので、何度かトライさせていただきました。これは僕に限らず、声の吹替のお仕事ではよくあることらしいです」
―――声のウォーミングアップが必要なんですね。
「そうですね。あと声を収録するとき、裸足になりました。柔らかい場所でラフな感じでやりたかったのと、動物の役なので裸足の方が気持ちを入れやすいと思ったんです。いろいろなことを試して、少しずつチャッカリを掴んでいった感じですね」