『相棒 season23』第15話考察&感想レビュー。佐野史郎がヤバすぎる…制作陣に拍手を送りたくなったワケ【ネタバレ】
text by Naoki
毎週水曜夜9時より放送中のドラマ『相棒 season23』(テレビ朝日系)。国民的人気を誇るご長寿刑事ドラマの“黄金コンビ”が帰ってきた! 杉下右京(水谷豊)×亀山薫(寺脇康文)が、共に事件を追う。さっそく、第15話の内容を振り返っていこう。(文・Naoki)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:Naoki】
1995年生まれのエンタメ企業勤務。ドラマ、漫画、ゲームなどサブカルをこよなく愛するオタクライター。自身でも作品ファンを集めたオフ会を開いたり積極的にファンコミュニティを拡大させている。記事は知らない人には分かりやすく、知ってる人にはより楽しめるを信条に活動中。
『相棒』シリーズの中でも異色な物語
杉下右京「言葉にならない…全ての責任は自分にある…自分を許せない」
『相棒 season23』第15話「キャスリング」は『相棒』シリーズの中でも異色な物語だった。
ゲストの佐野史郎は、18年前のS6「殺人ワインセラー」で特命係と自身のプライドに追い詰められていくワイン評論家を怪演していた。
脚本家の徳永富彦は、今期では、初回前後編ぶりの登板で、これまでもS14「物理学者と猫」S15「フェイク」などの挑戦的な作品を描き、またシリーズを跨いで描いた南井編など傑作も生み出している。
怪演に定評のある俳優と、挑戦的な作風の脚本家…この組み合わせが面白くないわけがない。
そんな今回の物語は、ある山荘で、右京が奥田剛(佐野)とチェスを指しているところから始まる。
奥田は15年に高円寺で起きた未解決の母子殺害事件の遺族であり、第一発見者でもある。そして、この事件の被疑者だ。
右京はチェスをしながら奥田に事件について淡々と語る。一方で、亀山と連携して、事件の捜査を進めていくのだが、奥田の仕掛けた罠が恐ろしく巧妙なものであった。