NHKドラマ『リラの花咲くけものみち』最終話考察&感想。感動のラスト…山田杏奈の姿を通して描かれた「命の輝き」とは?【ネタバレ】
text by 苫とり子
山田杏奈主演のNHK土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち』が完結を迎えた。本作は、北海道の大自然を舞台に、「いのち」と向き合い獣医師を目指す。元ひきこもり少女の、不器用でいとおしい青春物語。今回は、最終話の物語を振り返るレビューをお届け。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
聡里(山田杏奈)に訪れた別れと大きな選択
2月15日(土)に全3話で最終回を迎えたNHK土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち』。北海道の大学で獣医師を目指し、奮闘する元ひきこもりの少女・聡里(山田杏奈)の姿を通して、命の尊さを繊細かつ鮮烈に描いた作品だった。
最終回では、聡里に突然の別れと大きな選択が訪れる。
ある日、聡里のもとにかかってきた一本の電話。それは、祖母のチドリ(風吹ジュン)が入院したという父・孝之(竹財輝之助)からの連絡だった。聡里はすぐに東京へ戻るが、チドリの容態が急変し、そのまま帰らぬ人となってしまう。
孝之が単身赴任となった後、亡き母のものを全て処分し始めた継母・友梨(小林涼子)から愛犬パールを守るために引きこもりとなった聡里。チドリはそんな彼女を外へ連れ出してくれた、強くて優しい人だった。
動物に携わる仕事はどうか、と勧めてくれたのもチドリだ。聡里が立ち直りの道を歩み始めたばかりで、まだ夢を持つなど考えもしなかった頃。それでもチドリは、聡里の無限の可能性を信じてくれた。信じてくれたからこそ、聡里は一歩ずつ前に進むことができたのだ。