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『THE3名様』漫画家・石原まこちんが選んだ最高の映画(1)。「常に僕自身がその一員でいたいと思わせてくれた作品」

text by ZAKKY

各界で活躍する著名人に「人生に影響を与えた映画」をセレクトしてもらい、その魅力を語ってもらうインタビュー企画。今回登場するのは、漫画家の石原まこちんさん。『THE3名様』など自身の作品の実写化も多い。漫画界の鬼才が選んだ珠玉の5作品とは? 今回は第1回。(文・ZAKKY)

【石原まこちん プロフィール】

1976年生まれ。東京都出身。フリーター・ニート生活だったという自身の体験を作品にも反映させている。代表作は『THE3名様』『CIAの日常』『一杯いきますか!!』など。作風にも見られるように「登場人物3名界の巨匠」としても名を馳せている(当社調べ)。

初めての映画館体験にしてその後の人生の指針となった特別な作品

『グーニーズ』(1985)


出典:Amazon

―――まずは グーニーズ と名乗るやんちゃな少年“”4 人組の冒険を描いた不朽の名作をセレクトしていただきました。

「映画との出会いって、絶対、タイミングだと思うんですよ。僕の家庭は父親が頑固な人間だったんで、ずっと映画も連れて行ってもらえなかったのですが、小4の時に、初めて父と弟と3人で観に行ったのが『グーニーズ』だったんです。その前にリクエストした『バタリアン』(1985)はもちろん却下されましたが(笑)。まあ、初めて映画館で観た映画ですから、尋常じゃない衝撃を受けました。今はなき二子玉川園のボロい映画館で鑑賞しましたね。その後の人生にとにかく影響を与えた作品です。もしかしたら、父親に感謝する、一番の出来事だったかもしれません(笑)」

グーニーズ
Getty Images

―――初めて映画館で観た作品が『グーニーズ』とは 。思い入れは一塩でしょうね。

「なんて言うか、常に僕自身が『グーニーズ』の一員でいたいと思わせてくれた作品なんですよ。高校を卒業する際に、父親からは『とりあえずトラックの大型免許を取って、就職しろ!』と言われていたのに、就職希望書に『Mr.ビーン』(1997~)における、ローワン・アトキンソンの弟子になるとか書いたり(笑)。見返すたびに、『グーニーズ』のメンバーだったら、どんな行動を取るか? みたいな少年の心をいつまでも思い出させてくれる映画ですね」

取材時にはグーニーズのレコードを持参してくれました写真映画チャンネル

―――漫画家になろうと思った時も、グーニーズ・マインドが働きましたか?

「もちろんです!周囲のそれこそかつてはグーニーズの話題で騒いでいた仲間たちが就職してゆく中、僕だけはいつまでもグーニーズでいました。僕の地元では、三丁目にハイクラス層が集まっていて、学生時代は彼らの息子・娘たちが強い勢力だったのですが、彼らを驚かせたいという気持ちで漫画家になったようなものですから(笑)。グーニーズ・マインドのおかげですよ」

―――アハハ!特に好きなシーンはありますか?

「やっぱり、主人公のマイキーが、自宅の屋根裏で宝の地図を見つけるシーンですかねえ。あと、舞台であるアストリアは坂を下って行くと海があるのですが、僕の地元は坂を下ると、大きな河があるんですよ。そんなところも身近に感じるポイントでしたね。当時からずっと映画の風景と地元の風景を脳内でリンクさせているんです。マイキーたちはあの坂を下って宝を見つけることで、アストリアを出なくてすんだわけです。僕も、地元の坂を下って漫画家になる道を見つけたおかげで、未だに地元に住んでいるのかもしれません(笑)」

―――うまい(笑)!

「いえいえ(照)。あと、シンディー・ローパーの主題歌『The Goonies ‘R’ Good Enough』も、最高ですね~!」

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