鎌倉を舞台にしたドラマ、最高傑作は? 聖地巡礼したい名作3選。ドラマの内容と劇中に登場する鎌倉名所を紹介
2025年の年始に松たか子主演の新春スペシャルドラマ『スロウトレイン』(TBS)が放送された。本作は鎌倉の美しい街並みが映し出され、心が癒されるホームドラマとなっていた。そこで今回は、鎌倉を舞台にしたドラマを3本ご紹介する。(文・小林久乃)
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【著者プロフィール:小林久乃】
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にて作家デビュー。最新刊は趣味であるドラマオタクの知識をフルに活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディア構成、編集、プロモーション業などを生業とする、正々堂々の独身。最新情報はこちら
骨壷を抱えて江ノ電に乗るきょうだい
『スロウトレイン』(TBS系、2025)
キャスト:松たか子、多部未華子、松坂桃李、星野源、チュ・ジョンヒョク、松本穂香、池谷のぶえ、倉悠貴、古舘寛治、宇野祥平、飯塚悟志(東京03)、菅原大吉、中村優子、毎田暖乃、リリー・フランキー、井浦新
年始に放送された松たか子主演のスペシャルドラマ『スロウトレイン』(TBS系)がすこぶる良かった。
劇中では鎌倉や七里ヶ浜周辺のロケと、韓国にある鎌倉によく似た風景の街で行われていた。おお! 鎌倉。言わずと知れた関東屈指の観光スポット。そして出版業界で働く私のような身分にとっては、絶好のロケ地である。これまでに鎌倉を含む七里ヶ浜周辺には、スチール撮影で30回以上は行っているという、どうでもいい自信がある。
古き良き街並みと、太平洋の広大な海。ドラマや映画で見かけると懐かしくなって、背景を目で追ってしまう。あの店もこの店もお世話になった。川端タケルさんの美容室『ビュートリアム』も通ったなあと、思いを馳せずにはいられない。今回はそんなちょっとした鎌倉クラスタが選ぶ、鎌倉ゆかりのドラマ3選を紹介したい。
まずはみなさまの記憶にも新しいところで前述の『スロウトレイン』。両親と祖母を事故で突然失った、渋谷葉子(松たか子)、都子(多部未華子)、潮(松坂桃李)による、3人きょうだいを描いた物語だ。それなりの年齢となり、弟妹は愛する人と一緒になろうとしている。ただ、自分たちを育ててくれた未婚の姉を置き去りにはできない、と苦悩。が、当の姉は周囲から未婚であることを心配されてもこう考えていた。
「(弟妹の世話で)できなかったこともあるけれど、それも私の大切な一部」
このセリフがとても脳内に響いた。観る人によって感想はそれぞれだと思うけれど、葉子と同じく、独身、フリーランスで働く私にとっては清々しい、独身讃歌だ。
ロケ地としては、オープニングから江ノ電(江ノ島電鉄の通称)に両親たちの骨壷を抱えて、きょうだい3人で揃って乗っていた。この沿線の『極楽寺駅』や、鎌倉小町と言われ る通りなどが登場する。