最も教師役が上手かった日本人俳優は? ドラマ史に残る名演(2)サイコパスかと思った…初の先生役で残した伝説
text by shuya
『3年B組金八先生』(1979、TBS系)の坂本金八や『ごくせん』(2002、日本テレビ系)のヤンクミなど、セリフが名言として語り継がれることも少なくない。そこで今回はドラマ史を飾る名教師5人をセレクト。時に温かく、時に厳しく生徒の成長を見守る彼らの「仕事の流儀」を解説する。第2回。(文:shuya)
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ドラマ史上屈指の独白場面に注目
菅田将暉『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系、2019)
子どもっぽくて寡黙な天才『ミステリと言う勿れ』シリーズ(フジテレビ系)から、総理大臣と入れ替わる大学生『民王』(テレビ朝日系、2015)まで、どんな役もあっという間にモノにしてしまうカメレオン俳優、菅田将暉。そんな彼が、唯一教師を演じた作品が、日本テレビ系で放送された『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系、2019)だ。
永野芽郁や川栄李奈、片寄涼太など、注目の若手俳優が多数出演することもあって、前評判が高かった本作だが、実のところ単なる学園ドラマではない。脚本の武藤将吾によると、本作は当初、『熱中時代』(1978-1981、日本テレビ系)のような熱血教師ものを考えていたが、途中から「教師が生徒を人質に立てこもる」という設定に変更。菅田演じる主人公、柊一颯も、サイコパスともいえるようなキャラクターに変更された。
しかし、物語が進むうちに、柊の行動が、実は生徒たちのことを思っての行動だったことが判明。とりわけ、終盤、彼が「第四の壁」(登場人物と視聴者の間にある壁)を打ち破って現代社会に語りかけるシーンは、菅田のメリハリある演技も相まって強烈な印象を与えた。
(文:shuya)
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