映画史上最も悲痛なエンディングは? 忘れられない結末(5)もう助からない…冒頭のセリフがもたらす意味は?
どんな生き物にも必ず死は訪れる。だからこそ今をどう生きるのか、何をして生きるのかが大切なのではないだろうか。映画の中の主人公は、身を持って我々に教訓を与えてくれる。そこで今回は、主人公が悲劇的に死ぬ洋画を5本セレクトしてご紹介する。第5回。※この記事では物語の結末に触れています。(文・シモ)
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主人公が撃たれる衝撃のオープニング
『カリートの道』(1993)
監督:ブライアン・デ・パルマ
脚本:デヴィッド・コープ
原作:エドウィン・トレス「カリートの道」
出演:アル・パチーノ、ショーン・ペン
【作品内容】
1975年のニューヨーク。元麻薬王のカリート(アル・パチーノ)は、5年ぶりに刑務所から出所すると共に、犯罪から足を洗うことを決意する。そして、南国バハマでレンタカー屋を営む夢の資金を貯めるべく、クラブの経営者として働くことになるのだ。
しかし、ある日、友人のデイヴ(ショーン・ペン)に依頼された、マフィアのボスの脱獄を手伝うことによって、命を狙われることに…。
【注目ポイント】
本作は、『キャリー』『ミッション:インポッシブル』のブライアン・デ・パルマ監督の描くアクションドラマである。フラッシュフォワードの手法を用いて、オープニングから主人公のカリートが撃たれるラストシーンから始まる。彼のうつろな目に映る“楽編への脱出”のポスターを前に、「まだくたばらんぞ」とつぶやきながら、事の次第を明らかにしていく…。
5年の罪から服役して、足を洗おうと決めたカリート。バハマでレンタカー屋を始める夢を見ながらお金を貯め、犯罪の過去が染みついた街を出ようとするも、まわりがそれを許さない。彼は意に反して、黒い世界に無理矢理逆戻りさせられるのだ。
「夜中の3時に、救急病院に駆けつけることになるのよ」
恋人のゲイル(ペネロープ・アン・ミラー)がカリートに言うシーンがある。彼女の予言めいた言葉は、現実になってしまう。
ラストシーン。マフィアの追跡を逃れたカリートは、ゲイルが待つマイアミ行きの列車のホームに駆けつけるが、かつて一悶着を起こしたチンピラの銃弾に倒れるのだ。
「皆悪いな、どんなことをしてももう助からない。あわてるなムダだよ。やっぱり行きつく先は109丁目の葬儀屋だ」
冒頭の「まだくたばらんぞ」の台詞は、最後には諦めの境地となる…。
本作は、『雨に唄えば』のオマージュ、『シャイニング』のオマージュ、『アンタッチャブル』のセルフオマージュなど、さまざまなオマージュシーンを見つけるのも楽しみのひとつである。
(文・シモ)
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【了】