冬ドラマ、最も色気のある俳優は? 最高の“メロいキャラ”(2)安心感が半端ない…暗い物語を支える救世主は?

text by 苫とり子

冬ドラマも盛り上がっている。毎回目が離せない考察系から主人公に共感しながら楽しめるお仕事系ドラマまで、幅広いジャンルの作品がしのぎを削っている。そこで今回は、ドラマライターが、今期もっとも視聴者を夢中にさせている男性キャラを5人セレクト。魅力を解説する。第2回。(文・苫とり子)

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香り立つ大人の魅力

松山ケンイチ(松風義輝)『クジャクのダンス、誰が見た?』

松山ケンイチ
松山ケンイチ【Getty Images】

『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)で、弁護士の松風を演じる松山ケンイチもまたハマり役だ。

 本作は、クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘・心麦(広瀬すず)が、遺された手紙を手がかりに真相に迫るヒューマンクライムサスペンス。松風は心麦とバディを組み、共に事件の真相究明に奮闘する役柄である。

 NHK連続テレビ小説『虎に翼』(2024)から続いて、法曹家を演じることになった松山。今回の役は、偏屈で、少しめんどくさくて、甘党という、虎つばで演じた裁判官の桂場と重なるところも多い。

 しかし、さすがは実力派俳優。しっかり演じ分けされており、松風は桂場よりも軽やかで、もう少し親しみがある。「僕が君の目になる」とかっこつけた台詞を吐くが、心麦にはあまり刺さらず、居心地が悪そうにする姿が可愛らしかった。

 でも、一番の魅力は大人としての責任感をしっかり持っているところ。心麦に厳しい言葉を投げかける時もあるが、それは覚悟を問うているだけであり、彼女を心配しているからこそなのだ。変に恋愛的な関係を匂わせず、松風が心麦の過保護な親みたいに見せているところもいい。

 ちなみに真犯人の正体は出演者にも知らされていないようで、自身も積極的に考察に参加している松山のX(旧Twtter)での投稿も視聴者に大人気。彼の持つユーモアが役にも反映されていて、シリアスなシーンが多い中で松風の存在が一種の清涼剤となっている。どうか松風が真犯人…なんてことはありませんように!

(文・苫とり子)

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【了】

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