“性欲=汚らわしい”の呪縛を解くドラマ『マイ・ワンナイト・ルール』のメッセージとは? 男女問わず共感を生んだ理由を徹底解説

text by 望月悠木

2月25日(火)深夜に最終回を迎えたドラマ『マイ・ワンナイト・ルール』(テレ東系)。本作は、艶っぽいラブシーンを含むもただのお色気ドラマではなく“女性の性欲”を丁寧かつ泥臭く描いた意欲作だった。最終話を振り返りながら本作が示したメッセージを紐解きたい。(文・望月悠木)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:望月悠木】

フリーライター。主に政治経済、社会問題、サブカルチャーに関する記事の執筆を手がけています。今知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けています。(旧Twitter):@mochizukiyuuki

女性は誰も抱けない童貞?

©「マイ・ワンナイト・ルール」製作委員会
©「マイ・ワンナイト・ルール」製作委員会

 本作は、なかおともこが手掛ける同名漫画が原作。32歳の会社員・成海綾(足立梨花)が「既婚者や彼女など相手がいないこと」「一緒にいて楽しいという感情を満たしてくれる関係であること」など、自分なりのワンナイトのルールを設け、自身の性欲と向き合うために奮闘するラブコメドラマだ。

 7話まではいろいろな女性とワンナイトを嗜む上司・堂島吾郎(平岡祐太)や、堂島の大学の後輩・前田律(木村了)などとワンナイトをする中で、自身の性欲と向き合う日々を送っていた綾。

 8話では友達兼後輩・坂崎マリ(中田青渚)から「私たち女性は結局ずっと受け身で、誰も抱けない童貞なんでしょうか?」と恋愛や性においては女性が受け身になりがちな現状を疑問視。続けて「私たち女も好きな男を抱いたほうが良い、男を抱きたくて悶々としたって良いと思います」「相手が好きだから性欲が沸く。その自然のことをマイルールで禁じるのはやっぱりおかしいですよ」と言われ、綾は自身の性欲に堂々と向き合う覚悟を決める。

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