『まどか26歳、研修医やってます!』第8話考察&感想。鈴木伸之”菅野”と急接近…ラストで顔が曇った理由とは?【ネタバレ】
芳根京子主演のドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系)が現在放送中。研修医の主人公が、令和の働き方改革で変わりゆく医療現場に戸惑いながら、人生と向き合う濃厚な2年間を描いた成長物語。今回は、第8話のレビューをお届け。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。
どんな選択をしても後悔はつきまとう
自分で選択して生きてきたはずなのに、たまに隣の芝生が青く見えることがある。とくに、女性のキャリアにはさまざまな選択肢が存在しているため、『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系)の女性陣もさまざまな葛藤を抱えながら生きている。
何かを選び取るということは、何かを捨てるということ。たとえば、独身の冴子(木村多江)は、家庭を持っている真奈美(森カンナ)のことが眩しく見える瞬間があるらしい。でも、真奈美は家も仕事も中途半端になってしまっている自分にモヤモヤしていて、論文執筆に集中できる環境がある冴子が羨ましい。
大ヒット漫画「【推しの子】」に登場する星野アイは、「母としての幸せと、アイドルとしての幸せ。普通は片方かもしれないけど、どっちもほしい。星野アイは欲張りなんだ」と言い、本当にどちらもの幸せを掴みに行っていたけれど、普通はそうはいかない。すべてを掴める人間なんて、なかなかいないのだ。実際、アイは双子を極秘出産したことがバレて、熱狂的なファンに殺害されてしまう。
「どの選択を取っても、選んだ瞬間に後悔が生まれる。あっちの方が良かったかもしれない。こっちは、こんなに苦労がある。でもね、選択できること、そのものが幸せなのかもしれない」と言っていた冴子のように、選んだ瞬間に残りの選択肢がよく見えるのは当たり前、自らの手で選択できることこそが幸せなんだ…と思えるようになったら、どれだけラクだろう。そこまでの境地にたどり着くためには、まだまだ時間が必要かもしれない。