そろそろ大河ドラマ主演が見たい女優の筆頭は? 最強演技派5選。芝居に定評のある国民的女性俳優をセレクト

text by 阿部早苗

NHKの大河ドラマで主演を務めることは、女優にとって大きな勲章であり、その年の顔ともいえる重要な役割だ。歴史に名を刻んだ人物を演じることで、女優の持つ演技力や魅力がより一層引き立つ。今回は、大河ドラマの主演にふさわしい女優を5人セレクト。過去の出演作を振り返りながら、演じて欲しい偉人を妄想してみよう。(文・阿部早苗)

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【著者プロフィール:阿部早苗】

仙台在住のライター。2020年にライターデビュー。これまで東日本大震災での企業活動をまとめた冊子「こころノート」第2弾、プレママ向けフリーペーパーを執筆した他、エンタメニュース、福祉関連記事、GYAO トレンドニュース、地元グルメライターなどWEB媒体を中心に執筆。映画なしでは生きられないほど映画をこよなく愛する。

リアリティ溢れる演技は唯一無二

杉咲花

杉咲花【Getty Images】
杉咲花【Getty Images】

 映画やドラマ、舞台など多岐にわたって活躍している杉咲花。子役時代は「梶浦花」名義で芸能界デビュー。2011年に現在の名義に変更。ドラマ『夜行観覧車』(2013、TBS系)では、家庭内暴力を起こす難しい役を演じたことで一躍有名に。

 ドラマ『花のち晴れ~花男 Next Season~』(2018、同局)や、2020年に放送された連続テレビ小説『おちょやん』(NHK総合)では主演に抜擢。現在は映画を中心に主役を演じることも多くなった。 

 そんな杉咲の出演作は家庭環境が複雑な厳しい現実を生きる主人公を演じることも多く、とりわけ、映画『市子』(2023)やドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(2024、カンテレ・フジテレビ系)では、彼女の持ち味であるリアルで解像度の高い演技が光っていた。大河ドラマは『いだてん~東京オリムピック噺~』(2019)に出演経験はあるものの、主演はまだない。

 もし杉咲花主演の大河ドラマが観られるのであれば、明治時代に活躍した作家「樋口一葉」役を推したい。女流作家の先駆けであり、「にごりえ」「たけくらべ」など、日本文学史に燦然と輝く傑作11作品を一気に書いた「奇跡の14か月」は語り草だ。一方で生活難に苦しみ、家族を養うために必死に書き、当時不治の病であった結核で倒れた薄幸の天才でもある。

 厳しい境遇でも自身の信念を貫き、文学史に残る偉大な作品を残した一葉の生涯、およびキャラクターは、杉咲がこれまで演じてきて役柄と絶妙に重なる。樋口一葉に扮した杉咲が原稿用紙に向き合い、血まなこになって筆を走らせる姿は、お茶の間を感動の渦に巻き込むはずだ。

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