「将来のビジョンは決めつけすぎない方がおもしろい」映画『知らないカノジョ』桐谷健太が俳優としての未来を語る。インタビュー

text by 斎藤香

映画『知らないカノジョ』で主人公リク(中島健人)の先輩・梶原恵介を演じている桐谷健太に単独インタビューを敢行。ワイルドなアクション作品から心が温かくなる感動作まで、幅広く活躍する桐谷さんに撮影の裏側からこれからの俳優活動について、さまざまな話をお聞きした。(取材・文:斎藤香)

「45歳で大学生役がくるとは!」驚きの依頼だった

桐谷健太
桐谷健太 写真:wakaco

―――映画『知らないカノジョ』で主人公リクを支える先輩・梶原恵介は、本当にやさしいキャラクターでしたね。出演の決め手となったことについて教えてください。

「まず “大学生の役”と聞いて、驚きました。今年45歳になるのですが、40代の俺に大学生役が来ること自体がおもしろいし、製作陣の心意気と、その発想がすごい。インパクトが強かったです。

加えて、三木孝浩監督とは『ソラニン』(2010)『くちびるに歌を』(2015)で仕事をしたことがありますし、主演の中島健人も『ラーゲリより愛を込めて』(2022)で共演して以来、仲良くしているので、これも何かの縁かなと思いました」

―――出演依頼があったとき、すでに中島健人さんの主演は知ってらっしゃったんですか?

「知っていました。だから『まさか健人と大学の同級生じゃないよね』と確認しました(笑)。梶原は4浪していると聞いて『4浪、OK! 4浪くらいがちょうどいい』と(笑)。現役じゃないところにもおもしろさがあると思いました」

―――脚本を読まれてどんな感想を持ちましたか?

「主人公のリクは<別の世界>に迷い込んでしまって、人生がガラリと変わってしまうけれど、誰でも何か1つのきっかけで人生が思いもよらない方へ転がったりするし、その中でも自分の人生は自分で選ぶことができると思いました。見る人がいろいろと考えられるような余白のある物語ですね。

またリクの人生が変化しても、以前と同じように彼のそばには梶原がいて、彼をサポートし続けるのがいいですね。梶原という人間は、すごく魅力的でやりがいのある役だと思いました。例えどんな自分でも、そばで支えてくれている人はいるよ、という。

―――梶原さんはとても頼りになる存在で、この映画を観た人はみんな梶原さんみたいな友達や先輩が欲しくなると思います。

「人生にひとり梶原恵介みたいな(笑)。そう思っていただけたらうれしいです」

1 2 3 4
error: Content is protected !!