本当に面白い…。ドラマ『ホットスポット』が“考察疲れ”に悩む視聴者の心に刺さったワケ。リアルタイムで視聴すべき理由を解説
text by 小林久乃
動画配信が普及する時代、リアルタイムで観たいと思わせるドラマ『ホットスポット』(日本テレビ系)は、かつて、伝説のバラエティ番組『8時だョ! 全員集合』(TBS系、1982~)に胸を躍らせていた記憶が蘇る。今回は、本作が放つ笑いの理由に迫りながら視聴者を引き付ける魅力に迫る。(文・小林久乃)
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【著者プロフィール:小林久乃】
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にて作家デビュー。最新刊は趣味であるドラマオタクの知識をフルに活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディア構成、編集、プロモーション業などを生業とする、正々堂々の独身。最新情報はこちら
幼少期の記憶とリンクする『ホットスポット』
何を今さら話になってしまうが『ホットスポット』(日本テレビ系)が本当に楽しい。連続ドラマを観る醍醐味の一つとして“来週の放送が楽しみになる”という、小さな高揚感がよく挙げられるが、まさにその通り。とはいえ動画配信サービスの普及によって、いつでもどこでも見られるのが映像作品のスタンダード。来週見ようが、来月見ようが、その人のライフスタイル次第ということになる。そんな便利な環境下においても、なぜか『ホットスポット』だけはリアタイをしたいという衝動にかられる。
私自身もテレビドラマを全作、一挙に録画しているので「いつ観るのか」は、気にすることではない。ただ『ホットスポット』だけは…日曜夜に観てから寝たい。この願望、なにか既視感があると、とんでもない過去の記憶を掘り下げていくと、幼少期に夢中で観ていた『8時だョ! 全員集合(以下、ドリフ敬称』(TBS系・1982年)があった。