冬ドラマで最も株を上げた女優は? 演技が素晴らしい宝石(4)やっぱり芝居が上手い…目力に引き込まれる
2025年の冬ドラマも盛り上がっている。今回は、現在放送中のドラマに出演する女優をピックアップ。キャリア十分の実力派や新境地を開拓した若手の中から、今季、最も役者として株を上げた注目の女性俳優5人を選出し、作品の内容と共に、俳優の魅力を解説する。第4回。(文・平良真咲)
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目に宿る光が強く逞しい
広瀬すず『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)
年始にNetflixで配信されて話題をさらった『阿修羅のごとく』(2025)では、竹沢家の四女・咲子の負けん気と迷い、三女・滝子(蒼井優)との雪解けを妖艶に表現した広瀬すず。そんな彼女が1月期ドラマで挑んだのは、自身初となる本格サスペンスドラマの主演という大役だ。
広瀬が演じる山下心麦は、放火によって殺された元警察官の父が遺した手紙を頼りに、事件の真相に迫っていくという役どころ。父の死に20年以上前に起こった殺人事件も絡み、登場人物たちの関係性も複雑な謎が謎を呼ぶヒューマンクライムサスペンスとあって、注目度も高い。
父の死後、葬儀の場では「泣いても父が帰って来るわけじゃありませんから」と気丈な態度を見せながら、1人になると父の遺影を前に「泣くな、泣くな…」と涙をこらえる。このシーンで広瀬は、強さだけではない心麦の人物像を説得力豊かに表現して見せた。
事件を追ううちに、心麦は父親と実の親子ではない可能性や、知らなかった父親の側面を知ることとなる。頼るところのない心麦はその都度動揺しながらも、自身の行動力で信じるべきものを見つけ出していく。
目に宿る光は強く、実に逞しい。そこには若さゆえの危なっかしさはありながらも、あくまでもどこか抑圧的だ。すべての事実が明らかになったとき、彼女の感情が爆発するのか。そうだとしたら、そのときの広瀬の演技もまた、楽しみでたまらない。
(文・平良真咲)
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