『クジャクのダンス、誰が見た?』考察。藤本隆宏が怪しすぎて逆にミスリード? ヒントとなりそうなのは? 第7話レビュー【ネタバレ】

text by 苫とり子

広瀬すず主演の金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)が放送中だ。本作は、クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘が、遺された手紙を手がかりに真相に迫るヒューマンクライムサスペンス。今回は、第7話のレビューをお届け。(文:苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

心麦(広瀬すず)=林川歌と確定

『クジャクのダンス、誰が見た?』第7話 ©TBS
『クジャクのダンス、誰が見た?』第7話 ©TBS

 新たな協力者・鳴川(間宮啓行)とともに、東賀山事件の唯一の生き残りである林川歌を引き取った津寺井(鳥谷宏之)を訪ねた心麦(広瀬すず)。津寺井にシンガポールに留学中という林川歌の写真も見せてもらい、心麦は自分が林川歌ではないことを確信した。

 では、なぜ神井(磯村勇斗)は心麦が林川歌だと思ったのか。その証拠として、神井は山下家に侵入した時に手に入れた心麦の母子手帳を見せる。母子手帳に記されていたのは、春生(リリー・フランキー)の手紙にもあった産婦人科医・阿波山京一郎(井上肇)と助産師・高畑まのか(大島蓉子)の名前だった。

 心麦は松風(松山ケンイチ)と2人のもとを訪ねることに。「全て知ったとしても楽になったりはしないからね」という神井の言葉通り、そこで心麦が知ることになるのは複雑な感情が濁流のように押し寄せる真実だ。

 22年前、林川一家6人が殺害された東賀山事件。唯一生き残った当時、生後半年の次女・歌は父である安成(野間口徹)の従兄弟にあたる津寺井に引き取られる予定だった。

 だが、警察は遺産関係で得をした津寺井に疑いの目を向け、遠藤力郎 (酒向芳)と繋がりがある可能性もあるとみて事情聴取することに。取り調べを担当した赤沢(藤本隆宏)と春生は、津寺井が歌を金儲けに利用しようとしていることを知る。

 そこで、赤沢は阿波山に出生証明書の偽造を依頼。春生と妻の静香(仙道敦子)が歌を引き取り、心麦として育てたのだ。春生が阿波山に託したビデオカメラには、歌が山下家の子どもとなった瞬間が収められていた。

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