史上最も面白いSF映画は? 映画史に燦然と輝く金字塔5選。素晴らしいクオリティ…一生に一度は観るべき傑作をセレクト

text by 村松健太郎

世界で最も見られている映画ジャンルはSF映画である。『スター・ウォーズ』、『アバター』、マーベル、DCコミックスなどを原作にしたアメコミ映画、ピクサーやドリームワークスによる長編アニメーションの多くもSF映画だ。今回はそんなSF映画の傑作群を紹介する。(文・村松健太郎)

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【著者プロフィール:村松健太郎】

脳梗塞と付き合いも15年目を越えた映画文筆屋。横浜出身。02年ニューシネマワークショップ(NCW)にて映画ビジネスを学び、同年よりチネチッタ㈱に入社し翌春より06年まで番組編成部門のアシスタント。07年から11年までにTOHOシネマズ㈱に勤務。沖縄国際映画祭、東京国際映画祭、PFFぴあフィルムフェスティバル、日本アカデミー賞の民間参加枠で審査員・選考員として参加。現在各種WEB媒体を中心に記事を執筆。

SF映画の価値を格付けた超大作

『2001年宇宙の旅』(1968)

映画『2001年宇宙の旅』より
映画『2001年宇宙の旅』より【Getty Images】

監督:スタンリー・キューブリック
脚本:スタンリー・キューブリック、アーサー・C・クラーク
原作:アーサー・C・クラーク
製作:スタンリー・キューブリック
出演者:キア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド、ウィリアム・シルベスター、ダグラス・レイン

【作品内容】

有史以前。わずかな食料と水をめぐって争う類人猿たちの前に、黒い石板上の謎の物体が現れた。石板に触れた彼らは、辺りに散らばっていた動物の骨を道具として扱いはじめる。

時は移り2001年。フロイド博士(ウィリアム・シルベスター)は、宇宙ステーションへ向かう宇宙船の中で、ソ連の科学者から月面のクラヴィウス基地と2週間ほど連絡が取れなくなっているという話を聞く。

【注目ポイント】

『博士の異常な愛情』(1964)や『時計じかけのオレンジ』(1971)で知られる名匠スタンリー・キューブリック監督作品。映画のオールタイムベストで必ずといっていいほど名前が挙がる作品として知られている。

本作の最大の特徴は、最先端の特撮技術だろう。キューブリックは撮影にあたり、細長いスリットを移動させながらシャッターを開放する「スリットスキャン撮影」や、カメラと被写体の位置をプログラミングして撮影する「モーションコントロールカメラ」など、当時の映画制作技術の粋を凝縮。娯楽映画として一段下に見られていたSF映画の格付けを一段も二段も押し上げた。

ちなみに、完成した本編は、極端に少ないセリフや暗示的なラストなどから難解な芸術映画という評価を受けた一方、公開翌年にアポロ11号が月面着陸に成功したことから未来を予言した啓示的な作品としても受け止められた。

なお、SF映画はその後、本作を皮切りに大作路線へと舵を切っていくことになる。

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