『クジャクのダンス、誰が見た?』考察。黒幕は2人に絞られた? 最後の重要人物「廣島育美」の正体は? 第8話レビュー【ネタバレ】

text by 苫とり子

広瀬すず主演の金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)が放送中だ。本作は、クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘が、遺された手紙を手がかりに真相に迫るヒューマンクライムサスペンス。今回は、第8話のレビューをお届け。(文:苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

黒幕は2人に絞られた?

『クジャクのダンス、誰が見た?』第8話 ©TBS
『クジャクのダンス、誰が見た?』第8話 ©TBS

 黒幕は2人に絞られたか。『クジャクのダンス、誰が見た?』第8話では、最終章に繋がる驚愕の新事実が明らかとなった。

 春生(リリー・フランキー)の手紙と母子手帳に名前が記されていた産婦人科医の阿波山京一郎(井上肇)と助産師の高畑まのか(大島蓉子)夫妻を訪ねた心麦(広瀬すず)。

 そこで自分が東賀山事件の生き残りである林川歌で、事件後に山下家に引き取られたことを知った。その直後、阿波山産婦人科が火事になり、焼け跡から夫婦の遺体が発見される。

 過去を掘り起こされたくない何者かによって殺害されたのだろうか。ストレートに怪しいのは刑事の赤沢(藤本隆宏)。第一に、彼には動機がある。阿波山に心麦の出産証明書を偽造させたのは赤沢だ。そのことがこれ以上明るみになれば自分の立場が危ういので、口封じに殺した可能性も。

 また、赤沢は火事の直前に阿波山を訪ねていた。今回、その事実が意外な形で他者にバレる。後輩刑事の絃瀬聡一が赤沢のスーツに犬の毛がついているのを発見したのだ。赤沢が飼っているのは猫であり、疑問を持った秋貞が鑑識に回した結果、阿波山夫妻が飼っていた犬の毛と一致。

 さらに阿波山夫妻の死に責任を感じた心麦が一連の事件の見直しを求めるが、赤沢は「偶然だ」といって聞く耳を持とうとしない。春生の死後、周囲で染田(酒井敏也)を含む3人もの犠牲者が出ているのに事件性を疑わないのはあまりに不自然だろう。

 心麦たちや刑事仲間たちでさえも赤沢に疑いの目を向け始めている。

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