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名作以上の傑作! 史上最高のリメイク日本映画(2)。役所広司に松方弘樹…最高の名優が揃う”バイオレンス時代劇”

text by 寺島武志
左に山田孝之中央に三池崇史監督右に役所広司Getty Images

今回はリメイクされ、成功を収めた日本映画をピックアップ。日本映画史に残る傑作映画に真っ向勝負を挑むべく制作された作品たち。随所に散りばめられた旧作へのリスペクトに胸がアツくなること必至。数多くあるリメイク作品の中から、決して観客に損をさせない珠玉の5本を紹介しよう。(文・寺島武志)

●世界的に高い評価を受けた“バイオレンス映画の鬼才”の最高傑作

『十三人の刺客』(2010)


出典:Amazon

製作国:日本
監督:三池崇史
脚本:天願大介
原作:池宮彰一郎
キャスト:役所広司、沢村一樹、山田孝之、伊勢谷友介

【作品内容】

オリジナルは、1963年に工藤栄一監督によって制作された、片岡千恵蔵主演の集団時代劇の快作『十三人の刺客』。2010年のリメイク版は、主演に役所広司を迎え、“バイオレンス映画の巨匠”こと三池崇史監督がメガホンをとっている。「戦わなければ、変わらない。命を燃やせ」というキャッチコピーが目を引く。

江戸時代後期、家臣や領民に対して、残虐な振る舞いが目に余る将軍の弟、明石藩藩主・松平斉韶の問題を受け、老中の土井大炊頭が呼び出したのが、御目付役の島田新左衛門(役所広司)。「松平斉韶を暗殺せよ」という命を受けた新左衛門のもとに、死をも覚悟した12人の仲間が集い、斉韶一行(稲垣吾郎)が参勤交代で国元に帰る道中を狙って戦いを挑む、いわゆる勧善懲悪な物語だ。

【注目ポイント】

序盤で藩主の斉韶が、家臣やその家族に制裁するシーンが残酷に描写されている。無表情に人を傷つける悪役を稲垣吾郎が演じている。また、門前で切腹して果てる侍役が内野聖陽、妻を斉韶に手込めにされて殺される若侍役が斎藤工と、かなり贅沢なキャスティングである。

錚々たるキャストがそろう中、とりわけ素晴らしいパフォーマンスを見せているのは、主役の島田新左衛門を演じた役所広司。物語のクライマックスで「各々方、斬って斬って斬りまくれ!」という決めゼリフが出色だ。

200人以上の敵をたった13人で迎え撃つ戦闘シーンは迫力十分。中でも島田新左衛門の部下で御徒目付組頭・倉永左平太を演じた松方弘樹の鬼気迫る芝居が素晴らしい。松方はかつて東映所属のスター俳優であり、数多くの時代劇に出演。時代劇ファンにも満足感を与えてくれる配役とストーリー展開となっている。

1963年版と比べ、はるかにスケールアップされた同作は、第67回ヴェネツィア国際映画祭でコンペティション部門に入選を果たすなど、世界的にも高い評価を受けた。

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