最も演技が上手い旧ジャニーズ出身俳優は? 史上最高の逸材5選。才能がスゴい…映画界を牽引する芸達者をセレクト

text by shuya

アイドルとして多くのファンを魅了してきた旧ジャニーズ出身の芸能人。歌やダンスなどのスキルが高く、完璧な彼らだが、俳優としても評価され、「演技派俳優」として日本の演劇界で確固たる地位を築いた者も少なくない。今回は、旧ジャニーズ出身俳優の中でも、特に高い評価を受ける5人セレクト。それぞれの魅力を紹介する。(文・shuya)

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【著者プロフィール:shuya】

多数のジャンルを執筆するフリーライター。自身の俳優としての活動を生かし、映画やドラマ、俳優の素晴らしさを言葉で表現する。「言葉というかけがえのない芸術で人々の人生を変える」をモットーに、生きる力をあなたに届ける。

鬼気迫る演技で世界の観客を魅了

二宮和也

二宮和也
二宮和也【Getty Images】

 旧ジャニーズ出身の演技派俳優を紹介する上で、二宮和也の名前は外せない。二宮は、緻密な演技と内面を映し出す圧倒的な表現力により、国内外で高い評価を受けている。

 クリント・イーストウッドが監督を務め、スティーブン・スピルバーグが製作総指揮を担当した映画『硫黄島からの手紙』(2006)では、硫黄島の戦いに参加した日本兵・西郷昇役を演じた。

 いつ命を落とすかわからない戦場に生きる青年を演じた二宮は、持ち前のニヒルな雰囲気を漂わせつつ、本国で帰りを待つ家族への想いを寡黙な演技で見事に表現。渡辺謙演じる主人公・栗林中将の遺体を埋めるため、スコップで穴を掘るうちに涙が溢れてくる、ラストシーンの芝居はまさに鬼気迫るものがあった。

 映画『ラーゲリより愛を込めて』(2022)では、第2次世界大戦後の1945年から、シベリアの強制収容所(ラーゲリ)に抑留され、重労働に従事させられた実在の人物・山本幡男を演じ、辛い重労働と空腹に耐えながらも仲間を励まし続ける姿を熱演し、観客の心を震わせた。本作で二宮は、第65回ブルーリボン賞で主演男優賞を受賞している。

 二宮の演技が高く評価される理由はもう1つある。それは自然体な芝居だ。東野圭吾の原作をもとに制作されたドラマ『流星の絆』(TBS系、2008)は、宮藤官九郎が脚本を担当し、青春ドラマの要素が追加されたことで、一筋縄ではいかない、ユニークなミステリーとなった。コミカルな日常描写も多く、そうしたシーンで二宮はさりげないコメディセンスを発揮し、二転三転する展開に手に汗握る視聴者に安心感をもたらしてみせた。

 他にも、映画『検察側の罪人』(2918)では木村拓哉とのタッグで検事役、ドラマ『ブラックぺアン』(TBS系、2018)では天才心臓外科医を務めるなど、演じる役の幅が広いのも役者・二宮和也の魅力の一つだろう。

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